14話 ページ15
『私、と……?』
もう一度、今度はAが石切丸を見つめるとあいも変わらない微笑みを口元に携えたままそうだよ、と一つ頷いた。
「だから言ったろ?」
「安心して大丈夫だって。」
『兄さま……』
清光と安定がAの両端から顔を覗かせる。
戸惑いながらも二人にそうだね、とはにかんで手を伸ばそうとしたその瞬間。
「Aじゃねえか!昔から可愛かったけどよ、こんなに綺麗な娘さんになるとはなぁ!」
『あっ、兼さま!』
見覚えのある大好きな姿にそれは一気にもちさらわれた。
「ちっ…もう少しでAから触ってもらえたのに!」
「…ふぅん。場を読まないってこういうことを言うのかな」
「うるせぇ、お前ら!」
なんて言いながらも和泉守がAを抱く強さは弱まらない。土方の愛刀であった彼はもちろんAとも付き合いが長く、まるで娘のような可愛がりようだった。
「まさかまたこうして会えるとはな。俺は幸せだよ。」
頭を撫でながらその瞳は愛しく慈しむようでAの愛らしい額に小さく口付けを落とす。
『んっ…兼さま…』
「ちょっと、兼さんといえど、あんまりAちゃんのことを独り占めするのはずるいと思いますよ」
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作者名:ルイス | 作成日時:2016年10月25日 0時