13話 ページ14
「実はさっき新しい刀が鍛刀されたんだ。名前はA。さぁ、お前の番だ。」
『……Aといいます。脇差の無銘刀ですが主からその名を頂きました。前の主は新選組一番隊隊長の沖田総司様とその方の恋人。……戦った経験はありませんが、これから宜しくお願い致します。』
言い切った。一気に安心して今にでも崩れ落ちてしまいそうだ。横にいた清光と安定は頑張ったねと言わんばかりに微笑み、光忠もうんと頷いていた。蒼斗も心なしか表情が和らいだようだ。
でも他の刀剣達はどう思うのだろうか。
いきなりやって来た新しい存在を認めてくれるのだろうか。
自分はきっと前例もなく、何故こうしてまた実体を得ることが出来たのかも分からなくて、
「よろしくな、A。私は三日月宗近。」
呆気に取られていたみなの中で初めに声を発したのは三日月であった。そのゆったりとした物腰でAへと手を差し出す。
「俺は鶴丸国永って言う。人を驚かせるのが大好きでな!」
笑いながら近付いてきたのは鶴丸。
「うわぁー!あの子すっごい可愛い!」
「すてきなお姉さんです……!」
「……優しそう」
「こりゃまた別嬪な刀剣が来たもんだぜ。」
「一緒に遊んでもらいたいなぁ…ねっ、一兄」
「うん、落ち着いたら声をかけに行こうか。」
乱や五虎退、秋田に薬研などの短刀たちとその兄の一期一振。
「いわとおし!はなしかけにいきましょ!」
「まあまあ、そんな焦らさんな!いきなりいったら彼女も怯えてしまうぞ?」
岩融の肩に乗ってはしゃいでいるのは今剣。
その他の者達もあれやこれやと口に出しては、新しく来たAへと興味深げに、でも嫌な感じではない温かい眼差しを向けていた。
『…えっ……え??』
「すまないね、騒がしいやつらで。驚いただろ?どうやらみんな君と仲良くしたいんだよ。」
優しげな雰囲気で話しかけてきたのは石切丸。Aの目を見つめるとゆっくりと微笑んだ。
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作者名:ルイス | 作成日時:2016年10月25日 0時