Chapter:43 ページ44
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最後の国内合宿も本日が最終日。
いよいよ、明日からOQTが始まる。
誰もが、勿論緊張していると思う。でも、誰もが、"必ずパリに繋げる"、"ココで、決める"のだと、強い意志がヒシヒシと感じられた。
『明日より、ついにOQTが始まります。私から伝える事は、たった2つ。私はこのチームを信じています。このチームは強い。必ずパリへ繋がる。そして、"フジイ"さんと一緒に、パリへ行きましょう』
監督の合宿最後の言葉を皆さんに伝える。
...込み上げてくる思い。皆さんは勿論、特にまさは、少しだけ顔を歪ませた。
これまで、日本や東レを支えてきた、絶対的なセッターであった藤井さん。彼の正確なトスワーク、アウトサイドではなく積極的にミドルを使うスタイル、そして、何よりチームを鼓舞する明るさ。
富田くんが奥様にお願いさせて頂いて、藤井さんのユニフォームをOQTに連れていくことが決まったそうだ。
藤井さんも、きっと一緒に戦ってくれる。
藤井さんと一緒に、パリに行きたい。
私も彼のセッター力に何度だって憧れてきた。
絶対に、みんなでパリに、繋げたい。
その日の夜、ホテルで祐希さんが私の部屋に遊びに来ていた。(みんなは相部屋だけど、私は仕事もあるからずっとシングルにして頂いている。あ、女子1人ってのもたるけど)
「...ほんと意味分からん文字ばっか」
『文字達を繋げていくとサイトが出来上がるって、ほんと不思議ですよね』
祐希さんは私のパソコンを見ながら眉を下げる。
最初に考えた人達って本当に凄いなと思う。私も未だにびっくりすることもある。
「...てか、いつまで敬語なの?」
『....、』
いきなりズイッと祐希さんが近付いてきて、そう言う。
...祐希さんは何かもう、凄い。昔から"石川祐希は犬"とかファンが騒いでたけど、ほんと犬。わんちゃん。
『...だって、緊張します』
「慣れるから大丈夫。あと、"さん"はやだ」
『...ぐぅ』
祐希さんがガバッと私を抱きしめる。
「...祐希って、呼んで」
耳元で、囁く、彼。
『...ゆ、ゆうき』
「もう1回」
『...ゆうき。...恥ずかし、い、...っ!』
真っ赤になる私をお構いなしに、祐希さん、じゃなくて祐希は、私の頬にキスをして。
「...可愛いなぁ、もう。OQT、頑張れる。Aにかっこいいとこ、見せつけてやる」
唇に、感じる、温かい体温に。
私は、知らずと目を瞑っていた。
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こめお(プロフ) - だっちゃん。さん» 全然です!宮浦選手めちゃめちゃ可愛かったです!笑ありがとうございます!本当に連載お疲れ様でした! (10月23日 22時) (レス) id: 121e674881 (このIDを非表示/違反報告)
だっちゃん。(プロフ) - こめおさん» こめおさんありがとうございます!!番外編を書きましたがご希望通りになかなか進めれず申し訳ございません.... (10月22日 20時) (レス) id: ff3705be26 (このIDを非表示/違反報告)
だっちゃん。(プロフ) - けるさん» けるさんありがとうございます!!何とか毎日更新から無事に完結することが出来ました!!もし次回作思いつけば頑張ります!!!! (10月22日 20時) (レス) id: ff3705be26 (このIDを非表示/違反報告)
こめお(プロフ) - だっちゃん。さん» 完結おめでとうございます!番外編楽しみにしています!!! (10月21日 14時) (レス) id: 121e674881 (このIDを非表示/違反報告)
ける(プロフ) - 毎日 更新されたかな?と楽しみに待ってました!完結おめでとうございます!楽しく読ませていただきました!また楽しみにしてますね! (10月21日 12時) (レス) @page49 id: 1fd309d1cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:だっちゃん。 | 作成日時:2023年10月9日 21時