群青色に煌る。

Chapter：３９ ページ40

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アジア選手権も優勝で終わり、あっという間に沖縄合宿。そんな沖縄合宿も明日で最後で、少しオフ日を挟んで直ぐにトレセンでの最後の合宿が始まる。

もう、目の前はOQTで。とにかく、パリに繋げるために、キャプテンとして、後悔なんかしないように、やれることを全部やりたい。



そして、この沖縄合宿中にある物を、購入した。



群青色に煌る、ラピスラズリの石が埋め込まれたネックレス。



たまたま、お店の前を通りかかって、飾ってあったアクセサリーを何となく見ていると、その綺麗な群青色に惹かれてしまった。

シルバーの細身のチェーンに、丸型の小さなパワーストーンがついたもの。ラピスラズリは、幸運、真実、健康という意味があるそうで、運を呼び寄せるとか、迷いを断ち切ったり、判断力や直観力を高める効果があるみたい。


...関田さんに、似合う、絶対。


それに、関田さんは今、本当にチームのために沢山の努力をして頑張ってくれている。それこそ、彼女が勉強している事や、勿論、本業の方も、判断力や直観力は必要なやつ、だと思う。


何より、この群青色に煌るラピスラズリのネックレスは、彼女の華奢で真っ白な肌に、とっても馴染みそうで、そしてとても似合いそうだった。



迷わず、このネックレスを購入してしまい。


本当は、QOTが終わってから、伝えるべき事であると思う。


フラれてしまうのは分かっている。俺は、何とか気持ちをその場だけは切り替えられるかもしれないけれど、彼女にとって、とても今後がやりにくくなってしまう可能性がある。

彼女に、大きな迷惑を掛けてしまうことになる。



でも、もう、我慢なんて出来なかった。


藍が、彼女の事が好きな事も知っている。他の選手も、彼女に気があるような噂も聞いた事がある。

こんな俺だけど、焦りは勿論あるし、俺だけを、見て欲しいなんて、そんな我儘な思いもある。



フラれる事は分かってるからこそ。

彼女には迷惑を掛けるかもしれないけれど。


でも、今直ぐ、彼女に伝えたい。




"好きだ"と、伝えたい。














その日の夜、俺は彼女の部屋を訪れた。




『あれ、祐希さん！どうされたんですか？』


「今、ちょっとだけ大丈夫？仕事とかしてた？」


『いえ、丁度終わったところでコンビニ行こうかなーって思ってました！』


「...良かった。なら、コンビニ一緒に行かない？」


『祐希さんが良ければ是非！』






どこか嬉しそうに笑う彼女に、頬が緩んだ。



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