Chapter:03 ページ4
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"まさ、ごめんね"
「.........」
もう、数年前になる記憶の夢を、久々に見た。
別に嫌な気持ちではない。
ただ、やるせない、思い。
この数年間、どこかずっと、何かに心臓をギュッと、締め付けられている気がしていた。それは多分、きっと俺がいけなかったのだと思うけど。
でも、本人は決して俺のせいでは無いと言わんばかりに笑ってて、"まさ、ごめんね"と、目を細めて言うだけだった。
「おーーーい、関さん。寝てる?寝てるの?」
「....寝てませんけど何か?」
「きゃっ、太志怖いっ」
いきなりコーチ陣に招集くらって、来る途中で一緒になった小野寺と何と無くそのまま隣の席に着く。
ぼーっとしていると、いつもの如く小野寺が茶化して来たので軽く肩をベシッと叩いておく。それにまた小野寺がいたーいなんて叫ぶから、呆れてそのまま窓の外を見た。
もう直ぐあっという間に夏がやってくる。
夏が過ぎれば、あっという間にOQTだ。
バレーの事を考えると、必ずどこかであいつの顔が浮かぶ。今日の朝だって、何かを知らせたいのか、あの時の夢を見た。
あいつはいつだって、強かった。
兄の俺なんかより、ずっと。
だからこそ、きっと俺は、"後悔"と言うものに、ずっと心臓をギュッと掴まれているのだろう。
暗黙の了解というものが存在して、あの日の事を触れる事がないまま、数年経って。でもお前はいつも、ニコニコと笑っていて。
こんな俺を、1番に応援してくれて。
俺は結局、そこから抜け出せていない。
「関さんほんと大丈夫です?奥さんと喧嘩?」
「違うって。ちょっと色々考え事」
「ふーん?」
いつもはポヤッとしている小野寺だけど、何だかんだミドル陣の中では1番人思いな奴だと思う。
内心、心配してくれてありがとうと思いながら、コーチ陣が会議室に入ってくるのを黙って見ていた。
一体、何の話なんだろう。祐希も知らないと言っていた。キャプテンが知らない事で、何か重要な話?何だろう、本当に。
でも、一瞬で、心臓が締め付けられる感覚に陥った。
「単刀直入に言います。皆さんのお知り合いの方で、バレー知識があって、尚、主に英語の通訳が出来る方を、ご存知な方は居ますか?」
伊藤さんの話す内容に、きっとここに居る俺以外の全員が、ハテナマークを思い浮かべているに違いない。
でも、俺は。
あいつの顔が。
"A"の顔が、脳裏に浮かんだ。
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こめお(プロフ) - だっちゃん。さん» 全然です!宮浦選手めちゃめちゃ可愛かったです!笑ありがとうございます!本当に連載お疲れ様でした! (10月23日 22時) (レス) id: 121e674881 (このIDを非表示/違反報告)
だっちゃん。(プロフ) - こめおさん» こめおさんありがとうございます!!番外編を書きましたがご希望通りになかなか進めれず申し訳ございません.... (10月22日 20時) (レス) id: ff3705be26 (このIDを非表示/違反報告)
だっちゃん。(プロフ) - けるさん» けるさんありがとうございます!!何とか毎日更新から無事に完結することが出来ました!!もし次回作思いつけば頑張ります!!!! (10月22日 20時) (レス) id: ff3705be26 (このIDを非表示/違反報告)
こめお(プロフ) - だっちゃん。さん» 完結おめでとうございます!番外編楽しみにしています!!! (10月21日 14時) (レス) id: 121e674881 (このIDを非表示/違反報告)
ける(プロフ) - 毎日 更新されたかな?と楽しみに待ってました!完結おめでとうございます!楽しく読ませていただきました!また楽しみにしてますね! (10月21日 12時) (レス) @page49 id: 1fd309d1cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:だっちゃん。 | 作成日時:2023年10月9日 21時