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最悪の事態だ……
エルヴィンとの賭けに勝ったのは嬉しいが
ここまで酷いことになるとは思っていなかった
飛んできた壁の欠片によって
たくさんの家や人が潰されている
家族や友人を助けようとした人
逃げ遅れた人々が次々に巨人に食われていく
立体機動でシガンシナ区を駆け回り
近くの巨人から切り倒しているがキリがない
もう15体近くの巨人を倒したはずなのに
一向に減らないのだ
サリー「壁の穴を塞ぐのが先か、住民が死滅するのが先か……。避難が遅い……、駐屯兵は何をやってるんだよ!?」
私が助けても良いが
巨人を切り殺すほうが効率がいい
調査兵団の帰りを待つ暇はない……
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壁の穴の近く以外はほとんど巨人がいなくなった
殺した巨人の数は30体は余裕で超えただろう
シガンシナ区の住民もだいたいは避難出来たようだ
一度、屋根の上に立ち止まる
ずっと動いていたから疲れてないわけが無い
サリー「……えっ？あれは!?」
誰もいなくなった道を
駐屯兵の男がまだ10歳ほどの男の子と女の子を抱えて
走っている……
抱えられた男の子と女の子には見覚えがある
あぁ、そうだ
英雄の凱旋とか偽りだらけの名のときに……
調査兵団が外壁調査から帰ってきたときに
いつも目を輝かして見ている男の子と
静かに横に立っていた女の子だ
続く
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作者名：夏愛 | 作成日時：2021年5月2日 8時
