…ふふ、可愛いな※あなたside ページ23
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彼と付き合ってから、私が人の目に怯えることはなくなった。
誰が私の事をどう言おうが、全く気にならなくなった。
全部全部、彼がいてくれてるから。
あの時、守ってくれるって言ってくれたから…。
「 …ッ、また…」
女の子の日、この間終わったばかりだったのに。
ここ最近、原因不明の不正出血が度々ある。
元々不順を抱えているという訳でもないのに、何なのだろうか。
「あ、もしもし…」
トイレから部屋へ戻ると、涼介からの着信が鳴っていた。
慌てて電話に出ると、向こうで何やら騒がしい音が聞こえた。
『あっ!もしもし!ごめん急に掛けちゃって…』
「ううん、どうしたの?」
『高校の時の同級生とご飯食べて帰る頃なんだけど…急に声が聞きたくなってしまって…』
そう、なんだ…。
嬉しくて、ついにやけてしまう。
『Aは何してるの?』
「課題を終わらせたから、もう寝るだけだよ」
『そっか〜。そっかそっか〜』
やたらと声が高い。
涼介…も、お酒のせいだけではなく、単純に今は凄くにやけているのだろうと何となく察した。
「その…気をつけて帰ってね?」
『うん分かった!A、も…気をつけて寝てね』
寝るだけなのに、何を気をつけろと言うのだろう。
でも、そんなおかしな彼に思わず笑みを浮かべた。
家までは歩いて帰るようで、その間もずっと電話を続けた。
少し酔っ払っているのか、やはりいつもよりもテンションが高かった。
『着きましたぁ!』
「…!おかえりなさいッ」
『うん!ただいま!』
その声はまるで、小さい子供のようだった。
電話の向こうでバサッと音がして、その後すぐに何も聞こえなくなった。
「…寝た、のかな?」
しばらく声が聞こえなくなった為、私も電話を切り寝る事にした。
…ふふ、可愛いな。
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やっぱり、むず痒いよね※あなたside→←一緒にいられる…それだけで
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作者名:L | 作成日時:2021年12月11日 10時