私のはじめては全部、キミ。

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「標、ここで横にして、！」





棒にもたれている標を目に
あたふたしている優しそうな人

その人に手伝ってもらいながら
標を部屋の真ん中で仰向けにする









まさか、標が、




本当にあの水槽の中に入っていただなんて、









ユウキ「標くん、」









切なそうな、可哀想な顔をして標を見つめてるけれど、見守ってるだけで何もしていないこの人


……っ。絶対、助かってほしいとは思ってない









私も、こうしていられない、、、







「、ねぇ！アンパンマンの歌うたって！」






スナオ「あ、あんぱんまん？」





「早く！！」





スナオ「あぁ、はい！」









決して、上手とは言えないけれど
部屋の中に優しそうなこの人の声が響いた









ユウキ「何してるの？」



「アンパンマンの曲に合わせて心臓マッサージしてるの」









1、2、3、と数えながら
心臓を両手で押す









亡くなってしまう前、
看護師だったお母さんに教えてもらった


アンパンマンの曲に合わせて心臓マッサージをするといいって。








まさかこんなところで役立つなんて……









こんな変な知識しかなくて、
人にもすぐ騙されちゃうし、

何の役にもたてない私だけど、







神様、標を助けて！！！！








標、目を覚ましてよ！








顎を少しあげて、口に息を吹き込む


人工呼吸、









口を離して、再び心臓マッサージをする

ひたすら、それの繰り返し







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・








何回目かの、人工呼吸をして、









標の口から、自分の口を離すと、
ゆっくり目が開いた







「っ、、、」





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