fighting ページ46
まじか、鬼龍さまがそう呟いたのが聞こえました。
会心の一撃だったようで、NOFAが隙をみせたその間にわたくしたちは、大きくルートを迂回することにはなりますが反対側へ逃走しました。
その旨をすぐ理解していただけたお二人は何を言わずとも走り出し、わたくしは坊っちゃまをご無礼ながらお抱えして廊下を全力で走ります。
手元から聞こえる悲鳴も今は気にしてられません。
追ってきていないのを確認でき、ようやく歩くことができました。
泣き出しそうな顔でわたくしを見上げる坊っちゃま。
「なんでそんなもの持ってるの!?怖いんだけど!!」
懐からちらりと顔を覗かせる黒く艶やかな鞭に、NOFAよりもお前の方が怖いわ!と言わんばかりに慄かれました。
「ああ、これですか?ちょうどNOFAが現れた日の前日に買い換えまして。手に馴染ませておこうと持ち運んでいたのです」
「・・・鞭を買ってる時点で突っ込みてぇ」
「小柄とはいえ男一人を抱え、大荷物を二つ背負いあの速さで走るとは。伏見殿はただ者ではないな」
「これくらいのこと、坊っちゃまの執事として当然のことでございます」
軍関係の施設にいたから、というちょっと特殊な出自があるからなのですが、わざわざ言うことでもないでしょう。
危機を乗り越えた安堵と共に、いつも通りの笑顔を浮かべました。
「何はともあれ、皆さまが無事で何よりです」
52人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
純(プロフ) - Knight を護る騎士でいたかったさん» 普段穏やかな人ほど、怒ると怖いですから。 (2017年11月20日 18時) (レス) id: 2f1edb35cc (このIDを非表示/違反報告)
Knight を護る騎士でいたかった(プロフ) - 純さん» きっと真顔…普段は笑みを絶やさないから絶対に怖いよ (2017年11月20日 17時) (レス) id: 7e00625b4b (このIDを非表示/違反報告)
純(プロフ) - Knight を護る騎士でいたかったさん» 弓弦さんはともかく、皇帝さんのガチギレする状況がわからないですね (2017年11月20日 17時) (レス) id: 2f1edb35cc (このIDを非表示/違反報告)
Knight を護る騎士でいたかった(プロフ) - 純さん» 恐ろしっw (2017年11月20日 12時) (レス) id: 7e00625b4b (このIDを非表示/違反報告)
純(プロフ) - Knight を護る騎士でいたかったさん» 怒ってる間ずっと笑顔だろうな・・・ (2017年11月20日 12時) (レス) id: 2f1edb35cc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:純 | 作成日時:2017年11月17日 20時