ゆめside ページ20
ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ
A子 ふわぁーやっと昼休みぃー
B子 ねぇー
呑気に話し始める人がいるなか、私は勢いよく立ち上がった
ﾀｯﾀｯ
D組…
ﾕﾒ 安藤葵さん居ますか？
ﾓﾌﾞ あー安藤さんね…安藤さん、呼んでるよ！
ｱｵｲ …分かりました。
ﾕﾒ 少しいい？
ｱｵｲ …なにか。
ﾕﾒ ここじゃ、なんだから。
ｱｵｲ ……
返事がない…
まぁ、私も人のこと言えないけど…
私達が来たのは、校舎裏、りんと昨日話した所だ
ｱｵｲ なに。
ﾕﾒ 単刀直入にきく。貴女は、「はるくん」が好きなのね？
ｱｵｲ ！
そんなことをきかれるとは、思っていなかったようで、驚いている様子だ
ｱｵｲ …だからなに。
ﾕﾒ それは、いいの。どうでも。
ｱｵｲ は！？
ﾕﾒ 私が言いたいのは…
ｱｵｲ …
ﾕﾒ そんな感情で私の親友を傷つけないで。
ｱｵｲ …なんの…こと。
ﾕﾒ ふざけないで！貴女がりんをみる瞳！酷いわ！
ｱｵｲ …だって！りんちゃんは！
ﾕﾒ なに。
ｱｵｲ ずるいんだもの！急に入ってきて！
ﾕﾒ …
ｱｵｲ 私とはるの間に入ってきたのよ！？私とはるは、幼馴染み。親もきっと思ってた！この子達は、結婚するんだなって！私も思ってた！！はると結婚するんだ！って…なのに…なのに…
ﾕﾒ …
ｱｵｲ りんちゃんは、酷い！なに？私が酷い？そっちが先でしょう？
ﾕﾒ …
ｱｵｲ 私ははるが好きなの！！りんちゃんは？りんちゃんは、はるのこと好きじゃないでしょう？りんちゃんもはるのこと好きなら諦めた！でも違う！
ﾕﾒ …
ｱｵｲ あいつは、るいくんの事が好き！それに、るいくんに好かれてる！…両想いなの…私が憧れてる…しかも！あいつは、私にないものたくさんもってる！
ﾕﾒ …
ｱｵｲ そんなの不公平！りんちゃんなんか…りんちゃんなんか…大嫌い！
ﾕﾒ …最低ね…
ｱｵｲ ねぇ、今の聞いてた？そっちが先なの。
ﾕﾒ 幼稚園児と中学生が同じ考えなのね。
ｱｵｲ ！
ﾕﾒ 貴女も分かっているでしょう。
ｱｵｲ …それは…
ﾕﾒ いい。これからは、やめて。私が言いたかったのはそれだけ、貴女の感情なんて知ったこっちゃないわ。
ｱｵｲ …ごめん。
ﾕﾒ 私は言われる義理がないわ。
ｱｵｲ …そうね。ありがとう。いつか、りんちゃんにも謝る。
ﾕﾒ それは、名案ね。頑張って。
安藤さんの表情は、見えなかった。
けど、きっとその表情は、
「清々しい」
その言葉が似合う表情だったと思う。
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作者名：ゼロ | 作成日時：2020年6月28日 14時
