満月と嘘 (ページ21)

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なんとも言えない感触。ページ21

zin.side

今日、天と地がひっくり返るかもしれない！

「なにそんな顔してんの？言ったじゃん、私。あとが大変になる。そう、言った」

…。

どゆこと？

「だーかーら、私、言ったよね！？そろそろ嘘をつかなければあとが大変になる。仁、さくらんぼ、そろそろ真面目に考えようって！」

「しゆ」

さくらんぼがしゆを止めようとする。

でもしゆは止まらない。

「あんた、いたぶられたいの！？痛め付けられて、ズタズタにされて、殺されたいの！？嫌でしょ！？だったら…」

「しゆ！」

今度は大きな声でさくらんぼが止める。

しゆは我に帰る。

「…っ！」

「しゆ。痛め付けられたくないのは分かるけどさ、見てよ。ジンギスカンだって不真面目だとはしてもちゃんと考えてるよ。しゆ、３人で考えればなんとかなるって！一匹羊が紛れてても」

う、何だか言葉が色々突き刺さってくる…。

ジンギスカンだの、羊だの、俺はメェーメェー鳴かないからな！

「さ、くらんぼ…」

しゆは、目をぱちくり。

「一旦今日は解散。もう四時を回ってるし。また詳しいことは明日。なにか案があればメールすること。いい？」

「…」

siyu.side

頭に血が、上ってしまった。

本当はしっかり状況をつかんどかなきゃいけないのに。

さくらんぼが指揮して、

私は、無言で立ち去る。

何か、申し訳ない。

よし。

家に帰って、

考えよう。

そのまま歩く早さだけを早めた。

sakuranbo.side

なんか、

しゆ、ごめん！！！！

そりゃあんなに狂ってさ、怒ってたら止めるよ！？

けど、なんか今になって止めてはいけなかった気がして…。

おまけにあんなエラソーに言っちゃってさ。

私、バッカかよっ！

自分の頭をポカポカと叩く。

何となくポケットを探る。

あれ？

あ、こないだ、お買い物行ったときお釣りでもらった五百円玉。

使お。

ほんとは校則違反なんだけどね。

ポケットから五百円玉を取り出し、近くの自動販売機でスポーツドリンクを買う。

ちょうど汗だくだったから、スポドは重要だよね～。

キャップを開け、ごくりと飲んだ。

「…っ！」

なんとも言えない感触が喉の奥から混み上がってきた。

「…うぇっ！」

何？

何？何？何？

その時。

ポケットからバイブ音が聞こえた。

その瞬間、その感触は消えた。
「何だったんだろ…」

もう一度スポーツドリンクで喉を潤し、スマホを見た。

『Toしゆ
　嘘考えたよ。』

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続きよろしく！！