満月と嘘

清清しい風。 ページ19

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あれ？

あそこで走ってくるのは…。

しゆ！？

「遅かったね。ごめんよ、置いていって。まああいつが憎たらしい口聞くからさ…」

と、急に謝罪の言葉を並べ始める。

は？

いつものしゆじゃない。

怖いんですけど！

「おぅーい！マーヨラー！」

は？(カチン！)

「マヨラーじゃねえよ？ふざけんなジンギスカンが！」

ゴキリと手首を捻る。

「ったぁー！！！」

目を瞑って仁はしゃがみこむ。

はっ！黙らしてやらぁ。

「取り合えず、全員合流…っと。で、何する？？」

仁がすっくと立ち上がる。

案外メンタル強いなこいつ。

神経通ってないんじゃん？

「何するーって、あんた授業抜けてきたでしょ？」

「あ、先生に怒られてた途中で強引に抜けてきた」

「私は、頭痛いっつって、抜けてきた」

「結局どちらも教室戻りたくないんじゃん？だったら、学校抜けて、サボって児童公園でじゃべろ」

「おけ！」


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サボるって…。

さくらんぼ、お主もワルじゃな？

と、只今児童公園へ向かう途中。

いや、いーややややや、通りすがるおばちゃんおじちゃんの視線が痛い。

さくらんぼはポジティブだから、そんなこと気にしないだろうなー。

仁は馬鹿だからどうでもいいのだ。

「つ、いた！」

清清しい空気が頬を、肌を伝う。

それと共に木々がさらさらと揺れた。

その音が、私達の心を掃除しているような感覚に招いた。

気持ちが、いい。

とても、清清しい気分だ。

「ところで、もう、今日は、９月の２０日みたいだよ？」

…は？

は！？

「なんか、俺たちがあそこにいるとき、浦島太郎状態だったみてーなんだよねぇー」

それから仁が話した話は、想像以上に、

長かった。


ここに帰ってきたときに、スマホを見ると、もう９月の２０日ってかいてあったみたいなの。

スマホ壊れた？って思って、取り敢えず友達に聞いてみたら。

「なにいってんの、仁？今日、２０日だよ？」

っていわれたそうなー！

なんでよ！？

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それでは、さよなら！

しゆ続きよろしく！！

byさくらんぼ

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