っ ページ6
いつも通り朝起きると、花の侵食のスピードが早くなっているのに気が付いてしまった。
右腕は完全に動くのに痛みが伴うようになってしまったし、足もスネ半分まで侵食が来ていた。
というか、所々に花が咲き始めていた。
ベットからゆっくり立ち上がり、歩くと脚が動きづらくなっていた。
そこで私はいよいよ＿＿＿＿自分の死を感じた。
ショッピくんを見送り、自分の部屋で作業をしているとトントンと扉がノックされた。
開けると、オスマンくんが来ていたのだ。
なんだか、久しぶり。
｢久しぶり。｣
os｢……ロボロから聴いた。なんでほとんど部屋から出てへんのに……｣
｢うーん…立ち話もあれだし、部屋に入りなよ。｣
オスマンくんを部屋の中に入れて、簡易的なお茶を出してあげる。
｢さっき話してくれたけど、言っても今は無理かなって｣
os｢言わへんと｣
｢分からない…でも、皆のやってる行動に私はあれこれ言えない立場だし。｣
os｢……｣
オスマンくんとは、幼なじみだ。
同じ故郷で育ち、学び、志を共にした。
思い出した。オスマンくんがグルちゃんに誘われた時、私もいないと嫌だと駄々こねたからだ。
なんて、話を思い出している間オスマンくんはとても悲しそうな顔をしていた。
時間は少し経ち、書記長…トントンくんのいる部屋に向かうと、ようやく起きている彼に会うことが出来た。
｢持ってきたよ。｣
tn｢おん…そこ置いといてや。｣
相変わらず隈があって心配になる気持ちを持ちつつ、テーブルの端に置いた。
｢なんか、コーヒーでも作ろうか？｣
tn｢頼んでもええ？｣
｢任せて｣
作って上げると、弱々しい笑顔で｢ありがとう｣と言ってくれた。
彼がこんなに優しいのは、唯一書類を期限までにやってくれる1人が私だからである。
部屋に戻り、一息つき腕を見ると花がゆっくりと咲く場面に遭遇した。
それが何となく綺麗だなと思ってしまった。
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作者名：しずく | 作成日時：2021年12月12日 15時
