1-6 ページ15
『………………』
目が覚めると目の前は知らない天井が広がっていた。
起き上がろうとしても身体に力が入らない。
首も動かせないから目をきょろきょろと動かすと、
こちらを心配そうに見つめる小学生くらいの女の子と目が合った。
女の子は私と目が合うと、その大きな目を更に大きくさせてわなわなとさせた。
「あ、あ、お、お母さん!!!女の人、目を覚ましたよ!!!!」
女の子は大きくそう叫んで入口の向こうの何処かへ走り去ってしまった。
どうやら私は助かったらしい。
身体は動かせそうにないけど、あの時聞こえた声の人物がきっと私を助けてくれたのだろう。
そう思い安心すると、また急に眠気が私を襲ってきた。
何とか必死に起きようと堪えたが急激な眠気にはどうにも勝てなかった。
ぼんやりとあの時聞こえた声を思い出しながら、私はまた再び瞼を閉じて眠りについたのだった。
***
『ん、…………』
「あっ目、覚めました?」
2度目の目覚めは、先程見た天井と先程とは違って女の子ではなく、40歳ほどの女性がこちらを心配そうに見つめていた。
『ぁ、の、こ…こは、』
「無理に声出さなくて大丈夫ですよ、本郷さん達が見回りしていた先で襲われてたみたいなんです。
今は本郷さん達は別の部屋で会議していますから…あともう少しでこっちに戻ってくるかと思いますよ。」
そう言って彼女は水が入ったペットボトルを差し出した。
彼女は自分を三原紹子と名乗った。
前に私を見て声を上げた女の子は娘の結月ちゃんと言い、私が目を覚ますまでそばにいてくれていたと話してくれた。
彼女達は逃げ遅れた市民らしかった。
逃げ遅れた、というのがいまいち私にはピンと来なかったが、私が1日気を失っている間にも事の状況は大きく変化していったらしい。
今私たちを取り巻く状況は、私が想定していたよりも酷い事になっていた。
『暴徒化した住民じゃない…?』
「ええ、そうなの。」
暫く落ち着いて声も出せるようになってきた頃、
紹子さんは現在の状況についてわかる範囲で私に教えてくれた。
172人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
m(プロフ) - さらさん» はじめまして、コメントありがとうございます!嬉しいと言って頂けて何よりです!ミンジュンくんもかっこいいですよね!是非更新しましたらまた読んで頂けると嬉しいです! (2021年2月10日 8時) (レス) id: c324cc81b5 (このIDを非表示/違反報告)
さら - はじめまして!!等々力さんも大好きなので、お話書いてくれて嬉しいです!!一番はミンジュンくんです!!続き楽しみにしてます!!コロナで大変ですがお体には気を付けてくださいね!! (2021年2月9日 23時) (レス) id: 8178d9f7d8 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - 化狐さん» コメントありがとうございます......!等々力さんのお話少ないですもんね。是非また更新しましたら読んで頂けると嬉しいです! (2021年2月9日 21時) (レス) id: c324cc81b5 (このIDを非表示/違反報告)
化狐(プロフ) - 等々力さんの小説を待ってました………っ!!更新待ってます!!!ありがとうございます…! (2021年2月9日 20時) (レス) id: 8707569254 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - にゅーとさん» コメントありがとうございます!嬉しいと言って頂けて何よりです。更新頑張りますので、また是非読んで頂けると嬉しいです! (2021年2月9日 16時) (レス) id: c324cc81b5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:m | 作成日時:2021年2月9日 10時