検索窓
今日:36 hit、昨日:55 hit、合計:81,821 hit

9 ページ14

「ごめん!自己紹介忘れてた!中森青子って言うの。青子って呼んで!」


なかもり…あおこ……?どこかで………


また、私の中の記憶のピースが一つ、動こうと……
繋がりそう。そのとき、そんな考えとは違う考えが横入りしてくる。


『ああ!!わかった!青子ちゃん、もしかして中森警部の娘さん!?』

「そう!どうしてわかったの?」

『警部から江古田に通う娘がいる〜って聞いたことがあったの思い出して』



ああ、ピースってそれだったのかも。もやもやを打ち消すように頭を振る。そのとき、一番きかれたくないことを青子ちゃんに訊かれる。


「事件ってどんな事件なの?青子知りたい!もしかしたらお父さんも何か知ってるかもだし」


( ヤバ )


どうしよう、どう回避する?言い訳?いや、そんなことしたら逆に怪しまれる。じゃあ正直にキッドを探してて!って?んーん、そんなことしたら居るかもしれない本人に警戒される上噂が一瞬で広まり調査どころじゃなくなる。なら___


『ごめん、今は言えないの。もしかしたら青子ちゃんにも危険が及ぶかもしれないし、それにどこで誰が聞いてるかわからないから!』


それっぽい理由が一番だろう。


「そっかぁ。でも何か助けが必要になったらいつでも言ってね!力になるから!」

『ありがと、すごく助かる』


話が一段落ついた。そんなとき、クラスがわぁっと声でいっぱいになる。


「ねぇねぇ、今夜20時にキッドが宝石盗りにくるって!」
「それ本当!?どこどこ!?」
「んーと……博物館に展示されてる宝石らしいよ!」


『!?』

思わずガタンと席を立ち上がる。幸い、その音は声にかき消されて注目されることはなかった。


「どうしたA、急に立ち上がって」


『えっ?あ、あはは、いや、キッドって名前聞こえてきたからつい』

「そっか、Aちゃんもキッドを追ってたりするの?」

『ま、まぁそんなところかな。あはは…』


今夜20時___
彼が現れる。…でも、でも会ってどうするの?捕まえる?いや、それは私の管轄外。
じゃあ捕まえるための足止め…でもそんなことしたらホントに捕まっちゃうか…も…





あぁそっか。私が彼に会いに行く理由はただ一つ。



“会いたいから”だ。

10→←8



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (129 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
384人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

華月(プロフ) - milk tiramisuさん» ありがとうございます!!とっても励みになります;; (2019年5月6日 21時) (レス) id: 4a5a738660 (このIDを非表示/違反報告)
milk tiramisu - すごく好きです!このお話! (2019年5月6日 18時) (レス) id: d5e35b6f92 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:華月 | 作成日時:2019年5月3日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。