過去の人。向くべき未来～アズカバンの囚人～ (ページ7)

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アイリーン・プリンスページ7

『ぇ、母さんって、え！？』

「…おや、セブルス。可愛らしいお客さんじゃないか。」

「それより、なぜ私の家に？何か用でもあるなら、ホグワーツに手紙をと言ったでしょう！？」

愉快そうに笑ったお母様は、顔をくしゃくしゃ
にした。

ひとしきり笑った後に顔をあげる。

「息子の顔を見たいと思うのは、いけないことかえ、セブルス？」

今度は彼が不愉快そうに顔を伏せた。
心なしか照れも見える。

答えがないのを見てから、彼女は私を見た。

キュッと心臓が絞まるように感じる、眼差しだった。

「…この子は？可愛らしい娘だねぇ。」

こちらにおいで。と手招きされて慌てて近寄る。

細くて長い指が私の頬を這うようにして当てられた。

「…私の、恋人です」

「…ほう？ついにセブルスもねぇ。
改めて、私はアイリーン・プリンス。セブルスの母親。よろしくね」

『ぁ、A・マグレッツです！よ、よろしくお願いします！』

緊張で少し声が大きくなった私を見て笑う。
背から這い上がる熱い血液がはっきりと分かった。

神経尖らせ過ぎでしょwとは思うものの、
分かってほしい。

交際始めて数ヵ月で彼氏の母親に会う気分を…！

緊張しないわけないじゃない？

「ふふふ、こんな娘なら私も安心。
会いに来て良かった。今日はもう帰るわね。
それじゃあ、セブルス。身体には気をつけるのよ。…あ、その娘も大事にしてあげてね。」

柔和な表情を浮かべたまま、彼女はしっかりと
した足取りで家を出ていった。

扉が閉まる音を聞いてから長いため息。

セブルスは疲れたようにこめかみを抑え、
私は胸を抑えた。

悪い人では無かった。
それどころか親切にしてくれた。

ただ、やっぱり私には早すぎるよ……

「…A」

『うん？』

「夕食は、どうする。近くに店はあるが」

『良いですね、行きたいです。』

その時は、お腹も空いていたしすぐに緊張なんて
吹っ飛んでしまったがw