過去の人。向くべき未来～アズカバンの囚人～ (ページ31)

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すれ違いはやがて立つ場所を変える。ページ31

「…394ページを開け。」

身体を壊したというルーピン先生の代わりにやって来たセブルスはそう言った。

「…人狼？先生、夜行性の動物はまだです。」

「黙れ。誰か、アメニーガスと人狼の違いを答えられるものは？」

ハーマイオニーが手をあげた。

例の如く華麗に無視したセブルスは残念だなと言った。

ハーマイオニーは耐えきれないように、

「アニメーガスは動物もどきで、人狼は制御不能です。
仲間を殺してしまうこともあるそうです。
しかし、声は判別できるとか。」

と答える。

「ﾜｫｰﾝ」

「ご苦労。Mr.マルフォイ。」

冷たく言い放った彼はハーマイオニーに向き直る。

「Ms.グレンジャー。君がでしゃばったのはこれで二度目。
鼻持ちならない知ったかぶりだ。
グリフィンドール5点減点。
明後日までに人狼の特性と見分け方について、羊皮紙二巻分書いて提出。」

あああ、とグリフィンドール生はため息を漏らした。

それから、セブルスは。

「Ms.マグレッツ。授業終了後、残りなさい。」

『…それで？なにかご用で？』

「先日のパトローナスは君のものか。」

背を向けた彼は言う。

『えぇ。それがなにか？』

「君は、何度言えば分かる？」

『私は私なりにやってます。気をつけているつもりです。』

「実際、君は倒れてしまったではないか？」

『…それは……』

ドン！！と派手な音をたてて、私は壁ドンされた。

「君は！！いつも、いつも！！我輩を
心配させて！！！どうしてそうも自暴自棄になれる！？」

『貴方には関係ないです！！心配してくれなんて頼んでないですし、私は貴方が何を考えているか分かりません！！！

私に触らないでください！！名前も呼ばないで！！さようなら！！！』

彼の胸を強く押して、私はするりと抜け出した。

彼が私を呼ぶのも無視して走り出す。

溢れてくる涙を見られないように顔を精一杯伏せて逃げるようにして寮に戻った。