身バレ秒読み ページ20
「ちょ…蘭たん…私緊張してきた…お腹痛いかも…」
昨日までの浮かれ具合は何処へやら。三人との待ち合わせ場所に到着した時、Aは俺の肩にしがみついていた。おかげ肩がとても重い。憑き物がつくってこんな感じなのか。
「やばい…俺も腹いたい…かも」
これは確実に昼に食べた激辛ラーメンのせいだ。トイレに行きたいけど、shu3からもうすぐ着きますという連絡があったので、待ち合わせ場所から離れるわけにはいかない。
「蘭たんのは自業自得でしょ!あ〜もうどうしよう!髪の毛変じゃないかな?」
三人には姿が見えるかも分からないのに、そんなこと気にしたって仕方ないじゃん。と言いたいけど、言ったらまた怒られそうなので黙っておこう。
「変じゃないんじゃない?いつも通り…あ、電話」
ポケットの中のスマホが震えて、画面を開くとshu3からだった。
「もしもし、今着きましたよ。」
「あ!あれや!!お〜い蘭たん!!!」
電話越しに聞こえる声が、駅の構内に響く。
そちらを見ると三人がこちらに手を振っているのが見えた。
「すぎるさん声大きい!」
hacchiがすぎるを注意する声。
確かに、ハンドルネームを叫んでいるところを、視聴者に見られたら、身バレ秒読みだ。それに普通に恥ずかしいし。だって、オッサンがオッサンを「蘭たん」呼びって……周りを見渡すが丁度誰も見ていなかったようで一安心。
近づいていこうとすると、肩がさっきまでより、ズッシリ重くなる。
背中からAの緊張が伝わってきて、聞こえないはずの心音まで聞こえてきそう。
「重いって」
いや本当に重い。前に進むのもやっとという感じで、一歩一歩踏み出すのを、三人は不思議そうな顔で見ていた。
「何やってるんですかね?」
「何であんな歩き方なんやろ?」
「荷物が重いとか?」
Aは、いい加減手を離してくれないかな
三人の不思議そうな顔を見るに、Aのことは見えてないと思う。
だからそんなに緊張する必要ない…
「…ん!?え!あれ?ちょっちょっ!!」
やっと、三人の元にたどり着くと、さっきまで、すぎるに大きな声を上げるなと注意していたhacchi当本人が、いきなり大声をあげる。
「ら、蘭たんそれ!ええっ!?」
hacchiは俺の肩の上を指差して口を開閉させるばかり。
まさか…hacchiにも見えてる?
Aが俺の後ろでお辞儀をすると、hacchiは隣の2人と俺たち2人を交互に見る。
「ええっ!!??」
さっきのすぎるより大きな声が駅の構内に響いた。
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らび。 - これからも応援させて頂きます!長文、コメント。失礼致しました。 (2020年3月13日 11時) (レス) id: e83a98032d (このIDを非表示/違反報告)
らび。 - コメント失礼致します。初めて拝見させて頂いたのですが、題名で、ん?人間未満…?人外系…?と気になり、説明文であ、幽霊!?え!?すっごい気になる!?と一人で盛り上がってしまいました(笑)まだ半分程しか読めていませんが、作者様の書かれる文章が大好きです!→ (2020年3月13日 11時) (レス) id: e83a98032d (このIDを非表示/違反報告)
重酸(プロフ) - うさん» ありがとうございます!凄く嬉しいです(^。^)今は特に何も呟いていないのですが、フォロー大丈夫ですよ!! (2019年8月19日 20時) (レス) id: 9ef9fc9699 (このIDを非表示/違反報告)
う - →分割すみません!ツイッターですが、捏造絵有りの公開垢からフォローしても大丈夫ですか…?差し支えありましたら新しく鍵垢作ります…! (2019年8月18日 0時) (レス) id: 942c568cca (このIDを非表示/違反報告)
う - はじめまして、いつも拝読しています!夢主ちゃんとrntnのやりとりがかわいくて癒されます〜!ミステリー要素もあり今後の展開が楽しみです!→ (2019年8月18日 0時) (レス) id: 942c568cca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:重酸 | 作成日時:2018年7月9日 19時