【wrwrd!】料理長は過労です。2 (ページ11)

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難の次も難ページ11

この国に来て3週間がたった、入って1週間で幹部になってしまった自分はやはり周りからいい目では見られていないようで今日もいつもの様にカウンター近くの厨房に立ち食事をしている人達をなんとなく眺めているときだった

｢料理長ー、悪いんだけどお冷貰えません？なくなっちゃいまして｣
我々軍の一人が空になったポットを揺らしながら言う

『少々お待ち下さい。』

予備のポットを持ち氷と水を入れると空になったポットを受け取りに向かう

『お待たせしましたこちらを＿＿

向かう途中誰かに足をすくわれバランスを崩す。
これは、相手に水が……

『ｯ＿＿!!』
受け身をとるよりもポットを抱えるような体制で転べば案の定氷水を頭から被る事になった。
クスクスと声を潜めるような笑い声から遠慮なく爆笑する彼らの声が食堂に響く。

故意にだと言うのはよくわかった。仕方がない彼らにとってもただの給仕係が上司になるなんて不服だろう。

｢大丈夫ですかA料理長…意外と鈍臭いのですね？｣

『………えぇ、本当に…申し訳ない貴方を先置いて自分の服に水を与えてしまうだなんて』

コックコートの生地は分厚い、熱くなった鍋の取手を裾を使って持てるほどだ、中の服も濡れてないしなんてことは無い。だがそうやるよう仕向けた本人であろうポットの水を要求した男はあまり同様もしていないAが気に食わなかったようでちょうど通りかかった人物の皿を持ちAの方に投げる

｢…っ！……なら、その服にこれも飲ませたらどうだ！！｣

?｢あ｣

白いコックコートに黄色い液体が広がる。あーあ、せっかくのコーンポタージュが…結構うまくできたと思ったんですけどね

床を汚さないように氷とコーンポタージュをエプロンに纏めるこれ以上染みてくる前に洗いに出さなければ

?｢君のテーブルマナーじゃ人に他人の食べ物を投げつけるのが普通なんですか？｣

｢あ？なんだおま、え…｣

背後に立っていた人物に振り返り人物の顔を見ると男は固まる。そこに立っていたのは昼食を取りに来て先程コンポタージュを奪われたエーミールだ
｢え、エーミール…教授｣

｢君らは上司にこのような仕打ちをする人間だったんですね。｣

ざわざわと騒いでいた食堂が静かになる
エーミールはため息をつくとテーブルに昼食を置いてAの方へ近寄り手を差し伸ばした