第三十七話(7) ページ25
「利吉、もう一つ尋ねたいことがある」
「次は何かな?」
「龍がここで働いている理由である子どもを狙った辻斬りの件だ。辻斬りに遭った子どもで、発見時に息があった子どもはいるか?」
前にも同じ問いを半助にした事を鈴は思い出す。
あの時半助は「分からない」と話していた。
「息のあった子ども、ねぇ。分からないな」
「そうか、ありがとう」
「生き証人を探しているのか?」
「いや、そういう訳じゃないんだ」
そういう訳じゃない。
ただ、もし自分の考えが当たっているのなら、辻斬りに遭い、見つかった子どもは全て死んでいるはずだ。
何故なら、息があったなら…連れて行かれるから。
それこそが恐らく辻斬りの狙い。
「山田先生に用があるのだろう、引き留めて悪かったな」
嫌な考え、重なる己の過去に吐き気がする。
これ以上を考えるのは1人の時の方がいい、と鈴は思考を止めて改めて利吉を見る。
利吉はそんな鈴を見て、再びどこか納得のいかないような表情を浮かべたが、彼女がこれ以上口を割らないであろう事は少なくともこの学園内においては一番彼女性格をよく知っている利吉には分かった。
「そうだな、スッポンタケ城と辻斬りについては何か分かったら教えるよ」
「そうか、よろしく頼む」
「礼ははずんでもらうからな」
意地悪く言えば、鈴はぱちくりと目を瞬かせた後、うむ、と悩み口を開いた。
「食堂のランチを奢る、でどうだ?絶品だぞ」
「あのねぇ。そんな事、君よりよく知ってるよ」
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ししゃもん(プロフ) - 千里丸さん» コメありがとうございます!同じ好みの方がいて嬉しいです!引き続き頑張ります!今作品が終わったら別キャラの忍たま夢にも挑戦する予定でいました。加えてシチュのリクもありがとうございます。できうる限りご期待に添えるよう取り込みたいと思います! (2019年4月1日 23時) (レス) id: 2f089d0de5 (このIDを非表示/違反報告)
千里丸 - 二度コメ失礼します。希望としては、夢主と男装夢主が同一人物であることが土井先生より先に誰か(以下A)にばれてしまい、秘密を守ってもらうためAと話すことが多くなってしまい、土井先生が嫉妬…みたいな展開が見てみたいです。ご検討いただければ幸いです。 (2019年4月1日 9時) (レス) id: 1ee468ee2e (このIDを非表示/違反報告)
千里丸 - 忍たま夢小説では数少ない作りこまれた設定、大好物です。睡蓮さんの考えるお話の設定はすごく好みなので、この小説が終わったら、忍たまの別キャラでも書いてほしいです。ご検討いただければ幸いです。とりあえず今は、「花菖蒲と蓮華草」を頑張ってください! (2019年4月1日 9時) (レス) id: 1ee468ee2e (このIDを非表示/違反報告)
睡蓮(プロフ) - たまさん» ありがとうございます!糖度低めのお話ですが、胸キュンしてもらえて嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2019年2月21日 11時) (レス) id: 2f089d0de5 (このIDを非表示/違反報告)
たま - 土井先生の夢小説を求めて辿り着きました( 〃▽〃)これからも胸キュンストーリーを楽しみにしてます! (2019年2月21日 0時) (レス) id: 01fbcb5691 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ししゃもん | 作成日時:2019年2月9日 13時