垂らされたのは蜘蛛の糸 ページ41
ドクン、と心臓が波打った。
「っ……」
同様するな、落ち着け。
ここで少しでも不審な動きをすれば、きっとすぐにバレてしまう。
そうなれば私もただでは済まない。
「何の事でしょうか。
私はマスターになるための勉強をしに来ているのです。
なので藤丸さんは勿論、このカルデアをどうこうしようだなんて事は微塵も思っていません。」
必死に平静を保ちながら彼の様子を窺う。
普段は閉じられている目が薄く開かれていて、翡翠の瞳が静かにこちらを見下ろしていた。
トリスタン「………どうやら、私は少々貴女を警戒しすぎていたようですね。
無礼をお許しください、レディ。」
「…いえ、お気になさらず。」
トリスタン「お詫びというわけではありませんが、私から一つ。
＿＿引き返すのなら、今のうちですよ。
ここのサーヴァント達が貴方達を常に警戒しているのをお忘れなきよう。」
それだけ言うと、彼は霊体化をして姿を消した。
取り残された私は暫く呆然としたままその場に立ち尽くす。
……彼が此方の企みに気付いた様子は見られない。
けれど先程放たれたあの言葉は、どう考えても忠告だった。
「………でも、やらなくちゃ。」
父の命令は絶対。
失敗なんて許されない。
逆らうだなんて以ての外。
「大丈夫……バレなければ良いんだから…」
大丈夫、大丈夫。
部屋に戻るまでの間、私はずっと自分にそう言い聞かせた。
……ひしひしと感じる悪寒には、気付かないフリをして。
それが出来ていたならば→←【番外編】ハッピー・バレンタイン！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 146人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こし餡の信者 - わんさん» 勿論ありますよ！ (2020年4月21日 15時) (
レス) id: bfa5138b88 (このIDを非表示/違反報告)
わん - これは参がある感じですか？ (2020年4月21日 2時) (レス) id: 8dc334f6e1 (このIDを非表示/違反報告)
こし餡の信者 - レインさん» 返信が遅くなり大変申し訳ありません！一気読みしていただけて嬉しいです^^ 中々更新が出来ずにいますが、完結はさせるのでお待ちいただければ幸いです！ (2020年4月9日 23時) (レス) id: bfa5138b88 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 最近一気読みしたものです。コロナウイルスなどで大変だとは思いますが、更新頑張って下さい！応援しています！ (2020年4月2日 22時) (レス) id: d7281daec0 (このIDを非表示/違反報告)
こし餡の信者 - レイさん» ありがとうございます！そう言っていただけると作者冥利に尽きます！更新もボチボチ頑張らせていただきますね！ (2019年12月4日 23時) (レス) id: bfa5138b88 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
