朝食は忘れずに! ページ15
それから一時間程経った頃。
オベロン「やぁ、話は終わったかな?」
立香「オベロン。」
すっかり落ち着きを取り戻した立香が名を呼ぶと、オベロンはフワリと花のような笑みを浮かべて返す。
その手には、二人分の料理が乗ったトレーを持っていた。
オベロン「これ、赤い弓兵君から預かってきたんだ。
二人とも、まだ朝食を食べていなかっただろう?」
立香「エミヤのふわとろオムライスとフワフワのパンケーキ……!」
キラキラと顔を輝かせる立香を微笑ましそうに思いながら、オベロンはトレーをテーブルの上に置いた。
オベロン「魔術王君のもあるよ。」
ロマニ「えっ、本当!?」
オベロン「勿論だとも。
僕が嘘をつくように見えるかい?」
ロマニ「……なんというか、『その姿』で言われても説得力が無いというか、胡散臭いというか……」
オベロン「はは、似たような事をよく他のサーヴァント達からも言われるよ。」
立香「でも、それがオベロンの通常だもんね。」
オベロン「変えようと思えば変えれるけどね。
マスターが望むなら、僕はどんな姿にもなってあげられるよ。」
立香「あはは。」
冗談混じりにそう言ったオベロンが、ふと何かを思い出したように手を叩いた。
オベロン「………そういえばマスター。」
立香「ん?」
オベロン「ドクターに会ったら殴るって言っていたけど、それはやらなくて良いのかい?」
ロマニ「えっ?」
立香「あ、忘れてた。」
ロマニ「えぇっ!?ちょ、ちょっと待って!?
いつの間にそんな話を…!?」
オベロン「君が此処に来る少し前だよ。」
顔を真っ青にして困惑しているロマニを余所に、オベロンは立香と共に「ねー」と言いながら首を傾げている。
ロマニ「ぼ、僕……殴られるの…?」
恐る恐る問い掛けると、立香はチラッとロマニを見ながら沈黙する。
「その沈黙怖いからやめて!!」と半泣き状態でロマニが叫ぶと、立香は小さく吹き出した。
ロマニ「立香君……?」
立香「あはははは。冗談ですよ。
こうして帰ってきてくれたわけだし、俺はそれだけで十分。」
ロマニ「〜〜〜〜〜っ、立香君〜!」
………立香君からは何も無くとも、どのみち他の英霊達に袋叩きにされるんだろうなぁ。
元から備わっていた性質故か、はたまた姿を写している人物の影響なのか。
オベロンは微笑みながら見守るだけで、その言葉を口にする事は無かった。
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こし餡の信者 - わんさん» 勿論ありますよ! (2020年4月21日 15時) (レス) id: bfa5138b88 (このIDを非表示/違反報告)
わん - これは参がある感じですか? (2020年4月21日 2時) (レス) id: 8dc334f6e1 (このIDを非表示/違反報告)
こし餡の信者 - レインさん» 返信が遅くなり大変申し訳ありません!一気読みしていただけて嬉しいです^^ 中々更新が出来ずにいますが、完結はさせるのでお待ちいただければ幸いです! (2020年4月9日 23時) (レス) id: bfa5138b88 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 最近一気読みしたものです。コロナウイルスなどで大変だとは思いますが、更新頑張って下さい!応援しています! (2020年4月2日 22時) (レス) id: d7281daec0 (このIDを非表示/違反報告)
こし餡の信者 - レイさん» ありがとうございます!そう言っていただけると作者冥利に尽きます!更新もボチボチ頑張らせていただきますね! (2019年12月4日 23時) (レス) id: bfa5138b88 (このIDを非表示/違反報告)
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