タイトルコール（ymmt side） ページ6
「サブチャンネル。」
「サブチャンネルーーーー！！！！」
「さぶちゃんねる。」
「Subchannel」
この世には様々なタイトルコールが存在する。
自分が一番自信をもってお伝えできるタイトルコール。
それが「サブチャンネル」である。
ある日の撮影後。
「山本ー、問ちゃーん、須貝さーん。」
いきなり、Aさんが撮影部屋に入ってきて、
俺たち３人の演者の名前を呼ぶ。
「サブチャン撮ろ。」
「おっと、これは…」
隣に座っていた問が、分かりやすく身じろぎをした。
「え？何？ふくらと河村の許可取ってんの？」
須貝さんの言葉に、白々しい顔を見せるAさん。
「ほら、ほら、ほら…絶対やばいやつじゃん。」
「こら、問。やばいって人聞き悪いでしょ。
ケーキ買って来てるから、後で食べよ。」
「え、マジで？どこのケーキですか？」
「んーっとね…」
上手く餌付けされて口車に乗せられていく問。
その間に、カメラの画角調整をしたり
着々と撮影の準備を進めているAさん。
「ほい、じゃ、始めましょう。」
「ほんまに、撮るんか？」
「はい、採用されるかはふくらさん次第ということで、
お三方からもごり押しお願いします。」
「いや、まだ内容知らないんだから、
ごり押しも何も分からないよ。」
「もっと、効率のええ働き方しろよなー。」
須貝さんと俺のブーブーを軽く交わして、
カメラの録画ボタンに手を掛ける。
「山本、タイトルコールお願いね。極上のやつ。」
「え？極上のやつ？何それ。
無茶振り過ぎない？」
録画ボタンが押されてしばしの沈黙の後、
俺が思う極上のタイトルコールをした。
「サブチャンネルーーーーーッ！！！！」
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作者名：琥珀 | 作成日時：2024年2月5日 2時
