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〜you side〜



「また、デートしてくれる?」


ふくらさんから発せられた言葉は、
最初理解できずにただ頭の中をぐるぐる回っていたが
次第に思考が追いついてきて
どんどん顔が熱くなっていくのがわかる。

どう返事しようか迷っていたとき
ふと頭に浮かんだのは
「まあ、成り行きに身を任せてみたらいいんじゃないですか?」
という乾くんの言葉。



「…はい、またお願いします。」


思った以上に声が震えて小さくなって
ふくらさんに聞こえただろうかと心配になるくらい。


そのまま、ふくらさんの道案内に従って、
ジェラート屋さんに到着した。


「うわー、美味しそう。」


店内はひんやりとしていて、
体と顔の熱を冷ましてくれた。
ショーケースを覗くふくらさんは、
さっきあんな話をした後とは思えないくらい
ジェラートに目を輝かせている。

ドキドキしてたのは私だけだったのかな。


「Aさん、決まった?」


ふいにこちらを振り向いて尋ねてくる彼は、
もう何を注文するか決まったようだった。


「あ、えっと…はい、決めました。」



待たせるのも悪いなと思って
とりあえず目に飛び込んできたチョコ味を
選ぶことにした。
彼は、ベリー系と王道バニラ2種類を注文していた。


店の前にイートスペースがあってそこに腰掛ける。



「「いただきます。」」



同じタイミングで言葉が出て驚きつつも
早速ジェラートを口に運ぶ。
濃厚で甘くておいしい。

隣に座るふくらさんも
目を細めながら美味しそうに食べている。



「これ、一口食べてみる?」



カップを差し出して、促してくれて、
私は、スプーンでバニラの方を一口もらった。


「遠慮せずにもっと取りなよ。
 こっちも美味しいよ。」


次は、ベリーの入った方を促してくる。
口に運ぶと、甘酸っぱさが広がる。



「ナイスチョイスですね、美味しい。
 私のもどうですか?」



お返しに私のカップを差し出した。



「ありがと。おいしい。」



残りの分も食べ切って、体もすっかり冷えた。


「Aさん、明日も休みだよね?」
「はい、ふくらさんは撮影か何か入ってましたよね?」
「そうだね。クイズするから楽しみだなー。」
「遅くならないうちに、帰らないとですね。
 ゆっくり休まないと。」


おやつの時間はとうに過ぎ、辺りは夕日に染まりかけていた。

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作品ジャンル:恋愛
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00kohaku00(プロフ) - おれんじじゅーす。さん» こちらこそ、リクエストありがとうございました。ko考察第2弾も考えてます!お楽しみに。 (8月2日 2時) (レス) @page6 id: dd8212c960 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじじゅーす。(プロフ) - koちゃん視点面白かったです!!リク応えて下さってありがとうございます😭 (8月2日 1時) (レス) @page7 id: 7f991e8d5d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:琥珀 | 作成日時:2023年7月26日 7時

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