愛されすぎて困ってます。 (ページ6)

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じんくんとの初めましてはあまりいい印象じゃなかった。

あからさまではないけど、少しだけ壁があった。わたしが日本人だったから。

そんなじんくんと仲よくなったきっかけは、料理。

初めてのオフの日、母から送られてきた調味料を使って日本食を作ってた。

｢ご飯とこれが、お味噌汁。で、こっちが肉じゃが｣

『…いただきます』

そこに食べることに目がないじんくんが光の速さでやって来て、一口ずつ味見をさせた。

『おいしい、！』

じんくんのお目目はキラッキラしてて、どうやらわたしは彼の胃袋を掴んだらしい。

その日を境にじんくんとの距離はいっきに縮まっていった。

ただ、それからというもの…

『A、そろそろ僕のお嫁さんになる準備はできた？』

いいにおいを嗅ぎつけてどこからかやってきたじんくん。

料理中のわたしにバックハグすると、包丁を握る手に自身の手をそっと添えた。

『ふふ、僕はいつでも準備OKだからね』

｢結婚する予定なんてないんだけど｣

『ヤ～！！Aはほんとツンデレだな～ㅋㅋ』

｢ねえ、手離して。料理できない｣

『ふふ、僕ね好きなタイプも結婚相手も料理が得意な人しかダメなんだ』

｢へぇ｣

『Aの作るお味噌汁、毎日食べたいな』

｢そんな日本食好きじゃないじゃん｣

『あ、もちろんデザートはAね？』

ソンキスをして自室に戻っていったじんくん。地味なセクハラに全身鳥肌がたった。

待ってろ

いつか “ 絶対 ” 訴えてやる…。

ああ、誰か助けてください…

愛されすぎて困ってるんです…。

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