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『さて、どうでしたか?千空センセ』
そう私は言って、千空に対して微笑む
私は意地悪だと思う
科学専門の人に、本物の妖術について聞くだなんて
神様がくれた力
いきなり持った力
「あ゛ー、正直一ミリもわかんねぇ。見たこともねぇ。」
『そっかぁ。じゃあ、交渉決裂かな』
千空すらわからないのなら、これは正真正銘妖術だ
「だがA、テメー自身もわかってねぇんだろ?その力の正体を」
『……』
そうだった
私は何もわからない。この力でどこまで出来るのかわからない。この力にペナルティがあるのかわからない。なぜ、こんなに神様が私に与えるのかわからない。
『そうだよ…なにもわかってない。なんも。』
「テメーは知りたくないのか?」
『知り…たい。』
自分のことだ
何もわからないでどうするんだ
「そうか。なら、俺がその力を解明してやる!」
『っ!!』
私のは完全な妖術だ
解明なんて、出来るわけがない
でも、千空なら成し遂げてくれるかもしれない…
そしたら少しは使い方がわかr「だめだよ」
っ!?
「解明しようとしてはダメ。奴の言葉に絆されるな。」
頭の中に、“神様の声”が流れ込んでくる
姿は見えない…
いつもと口調が違う
怒っているのだろうか
目の前の5人は何も反応していないということは、私にだけ聞こえてるんだ
「仲間にはならないんでしょ?迷うな。」
頭が可笑しくなりそう
耳の奥でゴウンゴウン言う
冷や汗をかいてきた
動揺を隠すように私は5人に背を向ける
『なんで……なんでこの力のこと知っちゃいけないの…!?』
あくまで声を抑えて問いただす
「力のことを知ることがいけないんじゃない。他のやつを過度に頼るのがいけないんだ。」
『人は…誰かを頼らなきゃ生きていけないんだ…!なんで神様にそれを決められなきゃいけないの!?』
「それ以上、他のやつを頼ろうとしたら、そいつら殺すぞ」
『っ!!!』
神様はそう言い放つと、プツリと話さなくなった
「A?」
クロムが心配そうな声色で聞いてくる
動揺や焦りを隠して笑顔を作り、みんなの方に振り向いた
『千空。やっぱ良いよ。使ってたらいつか分かってくると思う!結局交渉決裂なのよ』
「おい、テメー汗やべぇぞ」
『さて!私のショーはこれで終わりっ!みんなでクロムの倉庫行こ!』
千空の心配の言葉を無視して、場を持ち直した
「ずっとお前を守ってきたのはこのボクなんだ。これでいい。」
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作者名:胡瓜 | 作成日時:2023年8月28日 1時