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「…俺の時代の話だが、似たような硫酸エリアを調査に出た一団がいてな。先頭の男が靴ヒモでも治しにふっと、しゃがんだんだ……」
それで突然、その男が動かなくなって…
「死んでたんだよ」
『っ…』
「しゃがんだら下に硫化水素がたまってた。マジで実際にあった事故だ」
そんな、苦しくてもがいたりする暇もなく、すぐに死んだと言うことだ
「自然様がその気になりゃ、人間なんぞ瞬殺ってこった。コハクが超スピードとか、そういう次元の問題じゃねえ」
「しかし…ならどうするんだ千空！？私は絶対にルリ姉を…」
「決まってんじゃねえか。作るんだよ、ガスマスクを！！」
そして、その日には出来たガスマスク
私は、ポケットに手を入れ、千空が一人になったのを狙って話しかけにいく
『千空。いくらガスマスクって言ったってねぇ？ほら、死ぬ可能性は十分にある…そうでしょ？』
「あ゛ー、その通りだな」
『ココを乗り切らないと万能薬は完成しないから、行かなきゃ仕方ない…それは私も分かってる。だから、今回は笑顔で見送るよ』
「…何が言いてえ」
『…これ以上、二十歳にもなってないガキが命を掛けてんじゃねえって言いたいの』
少し、千空を睨みつける
「テメーの方が年下だろ。九歳ってこと自覚しろバカ」
『精神年齢はとっくに二十歳超えてますけどぉ？？…これはAとしてじゃなく御子神Aとしてのお願い。死ぬかもしれないことを、これ以上しないで。世界が変わるかもしれないというのより、誰かが死ぬ方がゴメンだよ。』
「御子神…それがテメーの前世の名前か。ククク、分かったよ。A様にそんなこと言われちゃあ、死ぬ気で生きて帰ってこねえとな？」
『そうだよ。絶対、生きて帰って来て。』
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ーーー
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翌日。
千空とクロムが、ガスマスクを持って硫酸の湖へ行った
私たちは大人しく待ってる
『カセキの爺さん。ガスマスクをもう一つ…』コソッ
「分かっておる」
銀狼に聞こえないように耳打ちをする
ーーーーー
ーーー
ー
『あれ？銀狼も行くんだね』
ガスマスクを持ち、出かけようとしてる銀狼に話しかける
「うん…怖いけど…俺、頑張るよ。」
『そっか…頑張ってね。護衛銀狼さん？』
「ありがとう、Aちゃん」
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作者名：胡瓜 | 作成日時：2023年8月28日 1時
