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なんで血を流させたくないか…
『私が血を見たくないから…?他の人の血が怖いからかな』
「血は誰でも怖いだろ。だが、他の人の血だけ…自分自身の血は大丈夫なのか」
『自身のはなんでか大丈夫なのよ』
「なんでかは分かるのか」
『いや、私自身すら、なぜなのか分からない。前世の時からなんだけど、親すら教えてくれなかった。でも、多分病室で目を覚ました時からかな?』
「病室?」
『いやぁ、普通に暮らしてたのに、目が覚めたらいつの間にか病院のベッドの上だっんだよ。13歳の時かな?その時から、他の人の血が怖くなったし、兄もどこ行ったのか分からなくなったんだ。』
「兄弟が居たのか」
『うん。私と2歳差の兄。親曰く、家出して遠くへ行ったんだってー。でも、どこ行ったのか教えてくれなかったし、兄からの連絡も無かった。酷い話だよ!』
ずっと、“連絡ぐらい寄越してくれても良いのに”って思ってた
結局、兄に再会出来ないまま死んじゃったけどら
『まあ、そんなこんなで私は血が苦手なんだよ。だから、ゲンの血が流れるのを止めに行った。……そして、戦ってる時も、血が流れるのを避けた』
「そうか。相手にすら怪我させたくなかったから、コハクに勝てる位実力持ってるテメーが、さっきバトった時に負けてボロボロになったのか。手加減してたから。」
『そう。よく分かってくれたね。コハクちゃんと戦った時は勝利条件を決めてたの。フィールドの外に出たら負けって。だから血は流させずに心置きなく戦えた。』
まあ、その条件は私が提示したんだけど
傷つけたくないから
『でも、今回のは違う。私がダウンしたら相手の勝ち。千空たちが来るまで持ち堪えられたら私の勝ち。それに、私には“相手を傷つけない”というハンデが付いている…相手はパワー系だったから持ち堪えるのも苦労する。そんなの、私が不利な状況だった…』
『……ふぅ、一通り話し終えたかな?一応これでも私ってば怪我人だから…休みたい』
「…最後に一つ良いか」
『手短に』
「テメーも科学王国民になれ」
『…嫌だと言ったら?』
「嫌だと言わなくなるまで言い続ける」
『…ラムネ』
「ラムネ?」
『科学でラムネ…作れる…?』
「あぁ、出来る。俺ならな」
『そっか…ふふっ、分かった。なるよ。科学王国民に。私の武力と妖術、科学王国の為に使う。でも、約束、絶対だからね?』
「あ゛ー、分かってる分かってる。良いからとっとと寝てろ」
『ははっ、おやすみ』
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作者名:胡瓜 | 作成日時:2023年8月28日 1時