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「___うわ、」


「・・・どうしたの」


確かに私もお腹が空いていたので、

魚たちに別れを告げ、遅めのランチを食べることに。


頼んだものが届くのを待つ間、

「ちょっとメール確認させて」と

一ノ瀬君はスマホとにらめっこ。


4歳しか違わないくせに、

さすが若者だなーなんて思ってしまった。



「ちょっと、見てよこれ」


そう言って身の前に差し出されたスマホの画面には


『近いようで遠い、4歳差。』


と濃いピンク色の文字で書かれている。


どうやら、少女漫画の宣伝らしい。



「これって、俺たちもだよね!!」


「・・・そうだけど、」


マンガの主人公は高校2年生で、

大学生に片想いをしているらしい。



「私と一ノ瀬君は違うでしょ」


もう若くないし。


近くて遠い、なんて言ってるけど、

高校生と大学生なんてチャンスはいくらでもある。


でも大人になったら

自分の歳をそれなりに自覚するようになって、

自分の気持ちに消極的になって。



「違くないよ、全然。

俺とAさんは4歳差で、俺はあなたに片想い中」


・・・彼は違うのだろうか。


私の視線に気づいて、彼は笑う。


なんで彼は、

こんなに自分の気持ちに正直でいられるんだろう。



「え、なにどうしたのそんなに見つめて!?」


テーブルに身を乗り出して

慌てて顔を伏せた私の顔を覗き込む。



「っ見つめてないけど」


縮められた距離に、

なぜだか心臓が大きく脈を打つ。



「いやいや、じーっと俺のこと見てたでしょ」


「それは、」


・・・違う。

浮かんだ感情をかき消して、顔を上げる。



「・・・お腹、すいた」


「え?」


「お腹すきすぎて、ぼーっとしちゃっただけ」


「なにそれ!?」


・・・私ってば、何考えてんだろ。

まだ煩い鼓動を感じながら思う。


この男と居ると、本当に調子が狂う。





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Julia(プロフ) - イチゴさん» レス遅くなってごめんなさい!とっても嬉しいお言葉、本当に感激しています><これからもどうぞよろしくお願いいたします・・・! (2018年1月7日 0時) (レス) id: 5d9e2ea9d3 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ(プロフ) - なんか言葉だけじゃ表せないぐらい面白かったです!なんか意味不明ですかね?(-ω-;) あと焦らずゆっくり更新頑張ってください!(*´▽`*) (2018年1月3日 2時) (レス) id: 5cdffbbcc0 (このIDを非表示/違反報告)
Julia(プロフ) - 翡翠葛@優杏さん» コメントありがとうございます!一ノ瀬君の可愛さがより伝わるよう、これからも頑張ります!!これからもどうぞよろしくお願いします<(_ _)> (2018年1月2日 15時) (レス) id: 32a8b9c6f7 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠葛@優杏(プロフ) - 一ノ瀬くん可愛すぎやしませんか…?一ノ瀬くん可愛いし文の書き方好きだし…むっちゃおもしろいです! (2018年1月1日 23時) (レス) id: 3eab18cbf5 (このIDを非表示/違反報告)
Julia(プロフ) - リンクさん» レス遅くなってしまってゴメンナサイ!とっても嬉しいです、ありがとうございます(/ω\)更新頑張りますのでどうぞこれからもよろしくお願いします! (2017年11月22日 1時) (レス) id: 5d9e2ea9d3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Julia | 作成日時:2017年4月22日 12時

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