小人(せうじん) �� ページ8
雲ひとつない晴天。
この日、俺は初めてこの村の高校に通う。
新しい制服なんてことはないが、服は同じでもここで着ると新品であるように緊張する。
[パーティーも兼ねるって本当？]
制服の第三ボタンを止めながら聞くと、母は[そうよ]と笑って答えた。
ちなみに父は仕事のためにいない。
外へ出ると、雲を割った光が、一条に降り注いでいた。
[行くか。___謝らないとな]
今度は、少しだけなら手伝えると答えよう。
やっぱり、人間をすべて信じるなんてできないから。
[あゆん、ボクも一緒でいいかな。ボクは
ショートカットの黒髪の美少女だった。双丘の起伏はあって女性らしい体つきだ。
瞳は青みがかった黒色。嘘をついたら、一瞬で気づかれそうだ。
[あゆんってもしかして、、、]
[歩霧の愛称かな。ボクのことは"ココ"でも、"つぼみ"でもいいよ]
ぐいぐい来るね。
なら、これでどうだ。
["ココやん"でどう？]
すると、彼女は意表をつかれたようで、明るいだけの表情が崩れて真っ赤に染めた。
[それは、それは、、、えっと、、、]
["ココやん"行こっか。こう見えても緊張するんだ。ココやんのお蔭様で少しは楽になった]
鼓動が激しくなってくる。
学校が近づいてきたようだ。
[そう、ボクは力になれたかな。あとひとつだけ。気を付けなよ、この村はなにが起こるか分かんないから]
時戻りか。
でも、それだけだろうか。
なにが起こるか分かんない村なんて不気味過ぎる。
[そろそろ着く。意外と近いな]
足に疲労は溜まっていない。
二十分ほどで学校に行けるのか。
[あゆん、これからよろしくね。ボクと、みんなのこと。相談はいつでも乗るからね]
[助かる。これが、新しい学校か]
木々に包まれたところに圧倒的にそびえ立つ巨大な建物。
昇降口の石版にはしっかりと高校名が記されている。
足元が湿っているのは、森の中に学校があるからだろう。
[あゆん、毛虫いるよ]
[大丈夫だって。もう緊張は解れたからな]
苦そうな表情のココやんが指差す方向へ視線でなぞっていく。
黒色のウニのように鋭いとげを生やした物体が、体をうねりながら蠢いている。
[うわぁぁぁ！！！]
喉がかれるまで叫ぶと、中から四人ほど走ってきた。
[今頃、虫ごときで叫ぶのかよ、、、、って転校生か]
こうして彼らと出会った。
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ゆい(プロフ) - norio117さん» いつでも返信します！評価、ありがとうございます！ (2018年8月2日 13時) (
レス) id: bf5077db51 (このIDを非表示/違反報告)
norio117(プロフ) - ゆいさん» ありがとうございます！ (2018年8月2日 13時) (レス) id: bd732d3351 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - norio117さん» 凄く引き込まれるようなお話でした。 また、文章とか分かりやすくて、素晴らしかったです、タイトルから話まで興味をそそる内容でしたので読ませていただきます。作品の申請お忙しい中、ありがとうございます！ (2018年8月2日 13時) (レス) id: bf5077db51 (このIDを非表示/違反報告)
norio117(プロフ) - オリジナルです。 (2018年7月18日 18時) (レス) id: bd732d3351 (このIDを非表示/違反報告)
米子(プロフ) - アイカさん» ありがとうございます。せっかくアイカ様にいただいたものなので、伝説に残るようがんばります (2018年6月27日 18時) (レス) id: fa2781bdc8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海苔男 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.nori118
作成日時：2018年6月17日 22時
