罰の支配 �� ページ13
体が重くなっていく。
そろそろ帰るか。みんなはもういない。
母さん、父さんにはなんて言われるかな？
[まあ、どうでもいいか]
トイレを出ると静かだった。
もう紫苑も隼人もいない。
気分はすこし楽になった。
[みんな俺のことを馬鹿にするよな]
[私はそんなことしない]
小柄な体格に茶髪で左にきちんと留められたサイドテールが伸びている。
[紫織か。どうしてこんなところにいんだよ]
俺は疲れとだるさと吐き気で息が途切れ途切れになっていた。息が苦しくてどこかに座り込みたい。
[ごめんね、あゆん。ボクと紫織で心配で来たの。紫織が先生を呼びに行く途中で口喧嘩を聞いたらしくて]
[喧嘩じゃないさ。俺の弱さがばれて、見捨てられただけ]
[そうだよ。なんで言い返さないの？ 友達いないって、、、、、、]
ひとつ間を置いた。
どうせ、本当の俺を知ったら、紫織もココやんだって俺を見損なう。
でもいっか。俺はもともとそういうやつだから。
[ほんとだよ。俺、こういうやつだから]
[言い返せない弱っちいやつね、]
いやいや、本当に友達なんていない。俺みたいなやつと仲良くするやつなんていないんだ。
そう思うだけでまた吐き気が戻ってくる。
[いるじゃん。ココやんがいるって言ってほしかったな。あと、今なら紫織もいる。紫織のほっぺた触ると癒されるよ？]
ココやんは紫織の頬をいじくっていて、意外にも紫織はいやがっていなかった。
[なんで俺に構うんだ]
[紫苑は今不安定だけど、あゆんだって引っ越したばっかりでしょ？ それであれはかわいそうだし。なによりも、あゆんは悪いやつじゃないから]
どっから湧いてくるんだよ、その自信は。
そのとき後ろから抱きつかれた。
寒気が体から抜けていく。
[私も歩霧は悪いやつだと思いません。先生と歩霧あわせて四人ですけど、歓迎会は絶対]
紫織の円らな瞳は人にNOを言わせない迫力がある。もちろん、俺なんか断ろうとも思えない。
[それは、ありがとう。ほんとに]
そしてなぜか右手をココやんに左手は紫織に繋がれた。温かいよりも恥ずかしいが勝る。両手に花は相当なイケメンにしか対処できないと思う。
教室に入ると料理と、先生がいて、男の白髭を生やした男だった。雪桜の父と違って柔らかい笑顔だった。
[待っていたよ。歩霧くん悲惨だったね。紫苑くんには後で言っておくよ]
[ありがとうございます]
なんて言うのもなにか違うと思うけど、他に言葉が見つからなかった。
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ゆい(プロフ) - norio117さん» いつでも返信します！評価、ありがとうございます！ (2018年8月2日 13時) (
レス) id: bf5077db51 (このIDを非表示/違反報告)
norio117(プロフ) - ゆいさん» ありがとうございます！ (2018年8月2日 13時) (レス) id: bd732d3351 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - norio117さん» 凄く引き込まれるようなお話でした。 また、文章とか分かりやすくて、素晴らしかったです、タイトルから話まで興味をそそる内容でしたので読ませていただきます。作品の申請お忙しい中、ありがとうございます！ (2018年8月2日 13時) (レス) id: bf5077db51 (このIDを非表示/違反報告)
norio117(プロフ) - オリジナルです。 (2018年7月18日 18時) (レス) id: bd732d3351 (このIDを非表示/違反報告)
米子(プロフ) - アイカさん» ありがとうございます。せっかくアイカ様にいただいたものなので、伝説に残るようがんばります (2018年6月27日 18時) (レス) id: fa2781bdc8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海苔男 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.nori118
作成日時：2018年6月17日 22時
