邪吐 VS オーパーツ ページ25
[知らん。なあ、邪吐。これは一体なんだ？]
臙脂色の宝石を見せると一瞬邪吐は溶けるのが見えた。しかし、すぐに少女の姿へ戻る。
[この光。回廊でもらったものだ。邪吐、時戻りと加えて異次元過ぎるものだ。まあ、オーパーツとでも名付けておくか]
[歩霧、僕が察するにそれは対山神の使徒兵器だな。邪吐の驚き方からして間違えない]
[私もそう思うよ]
久しぶりに立綱と紫苑を見た気がした。
回廊で時間を潰しすぎたみたいだ。
[まさか。この私がここで終わるわけにはいかない。二度もお前に殺されるわけがない]
邪吐は銀色の髪をくしゃくしゃにしながら、絶望の表情をしている。
二度目かどうかは分からない。だが、ここで終わらせる。
[なあ、紫苑。こいつを倒してくれたらさ、許してくれるよな]
[私も、許して欲しいよ]
紫苑の朗らかな笑顔をみると邪吐に勝てる気がした。
[あはっ。あははあははあははあははあははあはあははあははあははあははあははあははーー！]
邪吐に白い翼が生えると、邪吐は空へ飛んだ。
まぶしい夕日が目に突き刺さる。
その時だった。
臙脂色の宝石は形をうねうねと変えながら紅に光り、目を開けると一本の剣になっていた。
柄には翼と光の輪をもつ天使が裏表一体ずつ刻まれている。神秘的で麗しい剣だった。
そして、発光する階段が、空を飛ぶ邪吐にまで届くように現れた。
[邪吐、お前は終わりだ。明日はこの手の中にある]
剣を両手でしっかりと持って階段を上っていく。
邪吐までたどり着くと、邪吐はレーザー光線を指から発射した。
しかし、反射的に振った剣によって不自然にも屈折して地面を焼く。さらには邪吐を斬り、銀色の液体を出している。
[私は山神に忠誠を誓う。一之鳥くん、私が何者か分かる？]
銀色だった。
寂しそうに、悲しそうに、つらそうに流した、頬を伝わる涙の色だ。
[知るか]
[山神の使徒は全部で六体。みんな私の友達なんだ。山神とともに地に下った神の子のこと。だから、人間なんかに負けるわけがないんだよ]
次々と飛ぶレーザー光線を次々と捌いていく。
その度に邪吐は傷つき、おかしな色の血を流していく。
[山縛の邪吐は縛りの力と、邪を吐く力がある。一之鳥くんは耐えられるかな？]
途端、闇に包まれた。たったひとりだ。
そして心臓の動悸が急に上がったと思えば、そこで意識は削がれた。
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ゆい(プロフ) - norio117さん» いつでも返信します！評価、ありがとうございます！ (2018年8月2日 13時) (
レス) id: bf5077db51 (このIDを非表示/違反報告)
norio117(プロフ) - ゆいさん» ありがとうございます！ (2018年8月2日 13時) (レス) id: bd732d3351 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - norio117さん» 凄く引き込まれるようなお話でした。 また、文章とか分かりやすくて、素晴らしかったです、タイトルから話まで興味をそそる内容でしたので読ませていただきます。作品の申請お忙しい中、ありがとうございます！ (2018年8月2日 13時) (レス) id: bf5077db51 (このIDを非表示/違反報告)
norio117(プロフ) - オリジナルです。 (2018年7月18日 18時) (レス) id: bd732d3351 (このIDを非表示/違反報告)
米子(プロフ) - アイカさん» ありがとうございます。せっかくアイカ様にいただいたものなので、伝説に残るようがんばります (2018年6月27日 18時) (レス) id: fa2781bdc8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海苔男 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.nori118
作成日時：2018年6月17日 22時
