26．導く者 ページ26
眉を八の字にさせて私の顔を覗くレオ君
私は何も言わずに勝手に出て行ったのに、、
夢ノ咲学院の人に会えた嬉しさと同時に、罪悪感が胸を締めつけた
『レオ君、私、勝手に夢ノ咲から出て行っちゃたのに怒らないの?』
いず君が、私の去り際に言っていた事を、今になって理解する
会社に戻ってから感じていた
皆が居ないのだ
私には良くも悪くも騒がしい奴らがいたのに
私の周りは突然静かになった
折角なら、ちゃんとお別れを言えばよかった
「だから言ったでしょ。本当、馬鹿」
「お、セナ!」
『!?、、いず君??』
恐る恐る顔をあげると目の前に、いず君がいた
『、、、』
「久しぶり、A」
『、、、』
もう一度俯いてみる
「あんたねぇ、、」
ガシッと勢いよく私の頭を掴むいず君
痛い痛い、、というか怖い!
「どれだけ心配したと思ってんの!?連絡しても音沙汰ないし、こんな所で泣いてるし!」
私を心配してくれた?、、探してくれた？
『なんで、、だって私は、』
もう夢ノ咲学院から出てしまったのに。
それに、あんずちゃんも居るから大丈夫なはずなのに、、、。
「あんな別れ方で納得するとでも思ってるの〜?それに、友達を心配しちゃ駄目なわけ?」
、、、友達
そんな言葉が、どうしようもなく嬉しく感じた
仕事をしなければ必要とされない、仕事をこなさなければ父に追い出されるかもしれない
そんな恐怖概念から、仕事の事ばかり考えていたのに。
『私、仕事の事しか考えてなかったのに、いず君が私の事を友達と思ってくれてるなんて!!』
頬に手を添えて、わざと少し照れたように振る舞う
「俺はAの事、友達と思ってるから。
Aは、嫌なの?」
彼はスッと手を握り、微笑んだ
あ、、嫌な予感
『っ〜!?』
ギリギリと手の骨が軋む。
痛い、痛い!
ちょっと、冗談が過ぎました〜!!
いず君、照れ隠しは、もう少し軽めがいいな!とか言ったら、命が何処かに旅しちゃうので止めとこう
『嫌じゃありません!』
「よろしい♪」
うんうんと笑顔で頷くいず君。
御機嫌そうで良かったよ
「それでAは、これから、どうしたいんだ?」
レオ君は正面に立ち、真剣な眼差しで私を見た
私は、自身を必要としてくれるプロデューサーという仕事が存在価値であった
だから仕事が無くなった時、絶望を感じた
でも考えてみると、自分の存在価値は自分で自由に決められるものだ
『決めた』
これは、私が私であるための道だ
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SY(プロフ) - 翡翠さん» ありがとうございます!!頑張ります! (2019年4月5日 19時) (
レス) id: 393fa5d78e (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 主人公ちゃんの性格が凄く好きです。これからの主人公ちゃんの行動を楽しみにしてます。更新頑張ってください！！ (2019年4月5日 13時) (レス) id: 557ad2f8ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SY | 作成日時：2019年3月15日 4時
