story1 ページ2
・
((Ryoske side))
一目惚れだった。
______
____________
今日は撮影が順調に進んだうえに、新しい仕事が決まった。
夜空の星はいつもより輝いて見えて、今の気分にぴったりだった。
上機嫌で、穴場スポットにあるお気に入りのカフェへ。
この時間は閉店間際で、いつも客は俺1人。
でも、今日は俺のお決まりの席の2つ隣に、ロングヘアの女の子がいた。
ネットで拡散なんかされたら、俺のお気に入りのカフェでくつろげなくなると心配したけれど、今日はどうしてもカフェに行きたかった。
マスター「山田さん、いらっしゃいませ。」
涼介「いつものお願いします」
女の子を気にしつつもマスターにパンケーキを注文する。
11時。深夜手前のこの時間に女の子が1人。
どこか悲しげに紅茶を飲んでいた。
悲しげな顔でも、彼女はとてもキレイで、きっと笑ったらもっと可愛いんだろうなぁなんて想像してしまう。
気づけば俺の頭の中は彼女でいっぱいだった。
はじめは話しかけられるかと思っていたけど、彼女はずっと俯いて、ちびちびと紅茶をのむだけだった。
しばらくすると彼女のマグカップは空になった。
そして、彼女は空になったカップをずっと、悲しそうに見つめていた。
マスター「お2人とも、閉店の時間でございます。」
彼女はハッと顔をあげて会計を済ませ、“ごちそうさまでした”と微笑んだ。
その悲しげな笑顔が俺を突き動かした。
涼介「あ、あのっ....!」
キレイな髪をなびかせて振り向いた彼女。
涼介「よ、良かったら明日、またこのカフェで会いませんか....?」
A「....私、明日もまた、ここにいますね。」
より一層、悲しそうに微笑んだ。
その顔は今にも涙が零れそうで、でも、どこか諦めたような、寂しそうな笑顔だった。
・
92人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぽぽ | 作成日時:2018年5月19日 18時