414 ページ14
▽
その彼は、見覚えがある。ここ半年のどこかで、じゃない。もっと前だ。私が00になるために星を出たずっと前。
「中学で同じクラスだった、小野塚くん？」
「……覚えてくれてたのか」
「私、中々忘れないの」
最後の数秒で、握手の力が少し強くなる。
「学生の力添えなんてたかが知れるけど……瑠璃川、頑張ってるみたいだからさ。総選挙、俺も頑張るよ」
「！ うん、ありがとう」
同じように手を振ってサヨナラ。すると、背後から聞き覚えのある声がした。絶対あいつじゃん。私を殿付けするのは彼しかいない。
さて、どんな
「お前そんなかっこいいんだ。中身とのギャップえぐ」
「恥ずかしいでござる〜！」
「頬を染めるな。その顔でその口調混乱する」
ここで、やっと握手。身長だけじゃなく手も大きい。
色白すぎない？ 血通ってる？
「会場で
「分かった」
亜杜はトップWOTAであり､【君ガチ】の一員だ。
智恵理たちがDESに連れ去られたときや、ゲリラチャンネルの配信先を教えてくれたり。今まで影ながら00を助けてくれた、例のあいつである。
「ラズ殿。拙者の
「だって。伊賀丸たちは、ずっと昔から『私のファン』だもんね」
「！」
あ、時間だ。剥がされた。手が離れてしまう。
私……変なこと言った？ 自信過剰すぎ？ でも、そうだって前言ってたじゃん。伊賀丸も亜社も、知り合った頃はすっごい後ろ向きで。外界に許容されない自分に悩んでいた。
絡むようになり、たわいもない話をしながら相談も乗ったりして。今ではあんな感じだ。伊賀丸の素を受け入れる世界がある。亜社だって、元引きこもりとは思えないところにいる。
「伊賀丸は伝言以外にも、大事なことを忘れている」
「……その声」
これも知ってる。
「前回の握手会と、今朝のチャット以来だね」
「ボス！」
次の握手は【君ガチ】のリーダーらしい。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 40人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
東雲れーた(プロフ) - たるそらさん» めちゃくちゃ楽しんでいただいているようでこちらも嬉しいです。9位の理由は後にご説明しますのでお楽しみに。るーりんを愛してくれること、そして当作品を読んでいただくこと。ふたつともありがとうございます。続編(はもう少しお待ちを)もよろしくお願いします。 (7月12日 13時) (
レス) @page50 id: 70caf03276 (このIDを非表示/違反報告)
たるそら(プロフ) - どわああああるーりん9位！メディア選抜入れたのは嬉しいけど悔しいいいい！！！普通にるーりんの1ファンとして見てます！これからも応援しています！ (7月12日 0時) (レス) @page50 id: c2abce8c95 (このIDを非表示/違反報告)
東雲れーた(プロフ) - オノマトペさん» お返事に時間を要しましたが、今後の更新においてめちゃくちゃ励みになりました。ありがとうございます！ 私は私の書きたいものを書いているだけですが、楽しんでいただけているようで何よりです。これからもるーりんの成長諸々を見守っていただけたら幸いです。 (6月23日 19時) (レス) id: 70caf03276 (このIDを非表示/違反報告)
オノマトペ(プロフ) - るーりんを通してあの頃の00を見てた時のワクワクが感じられて本当に楽しいです。気長にお待ちしていますので、無理しない範囲で更新してくだされば嬉しいです。応援しています！ (6月20日 19時) (レス) id: 1db5f71093 (このIDを非表示/違反報告)
オノマトペ(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます。1人のキャラクターの物語として、原作にもしるーりんが居たら。という展開とそこに至るるーりんの影響力に説得力があり、ひっかからずに読み進められました。 (6月20日 19時) (レス) @page11 id: 1db5f71093 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：東雲れーた | 作成日時：2023年6月16日 19時
