109# 園智恵理の秘密 ページ9
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玄関を過ぎた直後に智恵理を呼びとめたのは恵。他にも二人、76期生がいる。彼女たちも髪にミント、そしてネイビーのリボンをつけていた。それほど仲良しの間柄らしい。
三人は揃って眉を釣りあげてなんだか怒っているようだ。恵が腰に手を当てて「キミさ、みんなに隠していること……あるんじゃないかな？」と言い放つ。しかし、智恵理は心当たりがないように首を傾げた。
「しらばっくれてもダーメ。見つけたんだからね、コレ」
「っあ……！！」
ショートカットにミントカラーのリボンをつけた女の子……
ゾディアック・コーポレーションの娘。これだけなら、どうしてそこまで目の敵にするのか他の人には分からない。けれど内容を読み込めば理由は誰にでも理解できる。
極めつけは次のページ。智恵理が父親らしき男性と並んでいた。目元が微かに似ている。父娘の背後にはDESの機体。オーディションを受けるために乗った船で凪沙たちを襲おうとしたものにそっくりだ。ここは『DESとの関連性』を綴る記事だった。
「DES軍のマシン、キミんとこの会社が作ってたんだね」
「怪しい。チョー怪しい！ 智恵理、DESのスパイなんじゃない？」
「っ酷い！ スパイだなんて……」
「だって怪しいじゃん！！」
智恵理から笑顔が消える。更には口も閉じて、何も言い返さない。……いや、言い返せなかった。
自分の立場も、記事も本当のこと。怪しいと言われるのもしょうがない。いつかはこうなるんじゃないかって、思っていなかったと言えば嘘になるだろう。でも、せっかく全てを忘れて頑張っていたのに。
満たされていた日常に、黒いインクがポタリと垂れたみたい。智恵理は唇を噛む。握りしめた手は少し震えていた。
一方で凪沙は、DESと智恵理の親が繋がっていたことに驚きつつも、76期生の強烈な言葉の刃にそんな言い方はないと腹を立てる。
スパイは言い過ぎ。研究生になってから今まで。智恵理を見ていたら、真剣なことは痛いほど分かっていたからだ。
「……ん？」
「あ、先輩！」
「なに？ どうしたの？」
言い合いが白熱しかけたとき彼方が階段を降りてきた。後輩たちの雰囲気がよくないことが分かると駆け寄って、原因を尋ねる。
葉月が記事を見せると、少し読んでショックを受けた顔をした。
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ひな(プロフ) - 東雲れーたさん» わー！覚えていてくださってありがとうございます！！とてもわかりやすくて見ているこっちまで胸が暑くなったり、ちょっとヒヤヒヤしたり...これからも頑張ってください！！ (2月4日 23時) (
レス) id: 1ddf176c35 (このIDを非表示/違反報告)
東雲れーた(プロフ) - ひなさん» 確認しました。向こうにもコメントしてくれたひなさんでしたか！ 作品を跨いで気に入っていただきこちらも嬉しい気持ちでいっぱいです。場面が頭に浮かぶ、文字なのに音楽や息遣いが聞こえてくる……一応そんな文章を意識してます。今後も楽しんでもらえたら幸いです。 (2月2日 8時) (レス) id: 35709d1cf1 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - ここまで来ちゃいました！！ポケモンの作品まで書かれていたんですね....！大好きな作品だったのですぐにわかりました！文の読みやすい書き方などが大好きです😌 (2月2日 6時) (レス) id: 1ddf176c35 (このIDを非表示/違反報告)
東雲れーた(プロフ) - 暇っぽちゃんさん» お返事遅くなってすみません。そう言っていただけてこちらも嬉しいです。応援ありがとうございます、頑張ります！ (2022年10月15日 20時) (レス) id: 70caf03276 (このIDを非表示/違反報告)
暇っぽちゃん(プロフ) - 久しぶりに0048の新作品があってとても嬉しいです…！！更新頑張ってください！！ (2022年10月6日 18時) (レス) @page34 id: 31b607a5e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2022年7月17日 20時
