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憤鬼星で日にちが変わった。護衛は第二班へバトンタッチしており、今はゆきりんと才加がテントの入口を。ゆいはんと智恵理は少し距離をおいて反対側を警戒することに。その両手にはライフルをしっかり構える。
00に入った頃の智恵理は朝が弱く、半分寝ながら朝食をすることも見られたが。今となっては懐かしく、笑い話にもできるほど正気になるのが早い。彼方に揺すられて起こされたときも、受け答えはしっかりしていた。
メンバーがこの惑星を初めてみたときは……異様の一言。夜がやって来ると不気味が合わさった。
しかし彼女らは、そんなキノコがあるとは知らない。静けさも相まって警戒がより強まった。仲間が休むテントでは、みんな規則正しい寝息を立てている。織音もだ。モフフを抱きしめて夢の中にいた。
「……モフ？」
……と。眠っていたモフフが身じろぐ。言葉を話せない生き物の中には、人間と異なって聴覚に優れた種類もいる。モフフはその長い耳で何かを聞きとったらしい。織音の腕から逃げようとはしないものの、何も無い閉ざされたテントの天井をジーッと見つめる。
モフフが何かに気づいてから十数秒。外ではドスンドスンと足音。だんだん近づいている。近くにいたゆきりんと才加は即座にライフルの銃口を向けた。そこには……目、目、目。血走った視線がいくつも刺さる。辺りは暗闇で、何者かその輪郭まではわからない。
「ヴヴヴヴヴヴ………」
「っ、何……！？」
威嚇。ゆきりんは人間では無いと悟る。こちらの何倍も体が大きい生き物の群れだった。なぜか機嫌が悪い。刺激させたら不味そうである。いきなりの緊張感が場を支配していた。金縛りにあったかのように動けない。
その生き物はいわゆる興奮状態。モフフのように額にはまあるい模様がある……けれど、モフフとは異なってあれは目だった。人間で言うところの白目は真っ赤に染まり、黒目は鮮やかな黄色。眼光鋭く睨みつけられていた。
異変はゆいはんたちまで届く。智恵理が通信を試みたが、ゆきりんから応答は無い。声を発するのも憚られる状況だったのだ。何かあったのかも。二人がそこへ向かった頃、テントで寝ていたメンバーも外の物音に気づき始める。
研究生では真琴が一番乗り。うるさいなぁ、と目を擦りながら体を起こした。
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2023年10月22日 13時
