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時は少し遡る。見知らぬ惑星にやってきたフライングゲット号。船内の揺れが収まり、着陸体制に移行するとき四人もLASから出た。今、自分たちは何処にいるんだろう。
そう思うA。だが、あるモノが視界に入ってきて思考が止まった。たかみなも、それに釘付けとなる。二人の目の前では美果子が咲和に抱きついて「あたしこそごめん、ごめんね〜！」と、わんわん泣いているからだ。
咲和の手も美果子の背中に。彼女の目尻は濡れていた。謝るのが遅いんだよバカ、なんて。若干鼻声である。
「よかった……」
「たかみなさん？」
「二人があんなふうに笑い合う姿、もう一度見たいってずーっと思ってた。……それに自分にとっても、しーちゃんにとっても。大事な人を守れて本当によかった」
咲和と美果子が顔を合わせて笑う。それを見ているたかみなも、自然と笑みをこぼす。とてもにこやかだ。更にそんな先輩たちを見て、Aにも笑顔が伝染する。
先代みぃちゃんと先代ゆうこ。二人は00を卒業しても無敵だった。世間では13代目あっちゃんばかりにスポットライトが向けられることが多く、七年前にグループを卒業したアイドルは既に過去なのかもしれない。
でも、彼女が現れるまで。たしかに多くの人々の記憶へ、幾度も愛を刻んだ。時に表舞台で、時にバックステージで。Aとたかみなはみぃちゃんに救われ、才加とゆいはんは
「……ん？ ちょっ、美果子あんた」
「何？」
「何じゃない、頭から血出てるっての！ 早く言え！」
「あ………忘れてた。思い出したら急に痛いかも」
DESの攻撃が命中して、一際大きな爆発があっただろう。あのとき頭蓋の右側を機内で強打していたのだ。額か頭かは知らないが赤黒いものが流れる。咲和の肩に埋めて泣いたのもあり、彼女の白い上ジャージの首筋にも鮮血がこすりつけられる始末。
和やかも、感傷に浸るのもここまで。後輩二人も途端に慌て出す。特にAは誰よりも心配を顔に出す。普段の冷静はどこにいったのか、オロオロしている。いつもならハンカチを持ってるが突然星を追われたためにそんなものは無い。咲和が「早く医務室行くぞ」と美果子をつれていった。
「……ふう。ウチらもみんなのところに戻ろっか。艦内は揺れたと思うし、地震の後みたいに散らかってるかも」
「はい。それとたかみなさん、」
「ん？」
「葵平先生って、同期の前だと本当はあんな感じなんですね」
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2023年10月22日 13時
