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キララはある種の人間の意志。みぃちゃんからすれば、魂とも言えるとか。まだ謎が多い発光生物は人のこころに反応して力を増幅させる。……それって、まさか。
ここにいる全員の頭に浮かんだことはきっと同じ。
「そう……。アイドル」
「「「！！」」」
「アイドルの元とも言うべき……古来の芸能は、神々や別の世界と繋がるための儀式だったらしいわ。そのことと、何か関係あるのかもしれないけど……」
「じゃあ、DESが00を生け捕りにしようとしていたのは……」
アイドル。つまりAKB0048とキララを軍事的に利用するため、か。それならセンターノヴァを発生するために条件を揃えたのにも納得が行く。センターノヴァなら、キララをより強く輝かせることができるから。
さっき、秋葉星にも大量のデュアリウムが埋まっていることは聞かされた。下を向いて、悔しそうな顔。今回の事態を招いた原因は自分かもしれないという申し訳ない気持ちが読み取れる。
「あたしがゾディアックに知らせたの。秋葉星にデュアリウムの反応があり、センターノヴァが生まれそうな気配があることを…………その結果、」
「っ、そのせいで秋葉星は！」
もう限界だったのかな。彼方さんの声には、今までで一番の怒気を感じた。腸が煮えくり返っているような。……だが続きは聞けなかった。背後で急くような足音。扉の方へタッタッタッと走っていったのは智恵理だった。
その背中に、凪沙は「どこへ行くの！？」と声をあげる。そうだね。たしかに物事の発端はみぃちゃんだったかもしれない。彼女が言わなければ、関わらなければこうはならなかった。…………でも。
果たしてそれは。本当に。みぃちゃんが行動を起こさなければ防げたことなのか。智恵理にとって、この事態を招いたのは身内、実の父親なんだ。誰よりも彼のことをわかっている。その上でじっとなんてしていられないのだろう。
「お父様と話してくるわ」
「無理だよそんなこと！」
「でもっ！ …………、」
智恵理の気持ちはわかる。しかしそれは冷静な行動とは言えない。藍花星で凪沙の父親が投獄されたことを知らされて、凪沙が気が気でいられなくなったときのように。だが、私たちは今追われる立場にあるんだ。
彼女は言っていた。裁判も、選挙前の投票期間も。自分が00にいるせいでみんなに迷惑をかけている。続けることを決意してもずっと気にしていて。そんなときに、こんなことが。
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2023年10月22日 13時
