ラピスラズリ⑭【0048】 (ページ15)

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みぃちゃんとの会話は別の部屋で聞くからと言ったのに。先輩がいたのは部屋と呼べるような空間じゃなかった。ゲリラライブの前なら最後の練習をしたり、WOTAとミーティングしたり。一際大きなモニターがある場所にいた。

声には気づいてくれたらしい。振り返らないまま「隣、座れば？」と言われる。アタシは左側に膝を抱えて、ゆいはんは反対側に横座りをした。目を合わせない先輩はジャージ。そのため胡座をかいている。

「「「………………」」」

…………何か言わなきゃ。二人とも思ってた。だけど横顔を見たらうんともすんとも出てこない。

昔、折れそうになったら励ましてくれて、悩んでいたら相談に乗ってくれた。なのに自分は、大好きな人が下を向いているときになんにも言えないのか？自分の無力さに腹が立つ。

すると、目の前のモニターがパッとついた。みぃちゃんを閉じ込めているという倉庫だった。そこには話をしに行ったたかみなたちの姿もある。画面の向こう側は会話が始まったため、そのまま耳を傾けることに。

口を閉ざしたままの先輩が再び声を発したのは、たかみながとあることを話したとき。これは数日前に実際に言った内容らしい。今まで何も、センターノヴァのことも含めて黙っていたのは先輩の夢を壊す又は先輩自身を傷つけてしまうかもしれないから……？

『………… あたしにとってはかけがえのない友、他の誰よりも大事な奴。咲和はもう、あたしのことをそう思っていないかもだけど。あと……これは悪口じゃなくて、その。咲和が輝けないことは知ってた』

『どういう意味？』

『オリジナルの前田敦子は、不動のセンターで孤独と言われた。咲和はそれとは無縁だもの。あの子の中には常にあたしがいる。さっしー、しーちゃんもね。「誰かと」じゃなくて「自分がやる」気持ちがなければ、センターノヴァにはなれないわ』

声といっても泣き声。目から雫がこぼれて頬を伝い、鼻をすする。ここから、メイク道具や髪をセットするときに利用する鏡台は目の鼻の先だ。ゆいはんが「ティッシュ取ってくるわ」と走っていった。

先輩は背中を丸め、両手で顔を覆う。てっきりセンターノヴァにはなれないと言われ、悲しくて泣いているんだと思った。けれど…………「ごめん」「私も、そうだっての」。先輩の中にはみぃちゃん自身だけ。DESの手引きをしたとか、それは微塵も気にしない。

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