ラピスラズリ⑭【0048】 (ページ2)

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652# 黒幕の存在ページ2

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数ヶ月前。美果子はある人物により、射手座星に呼び出される。彼女はその男と面識は無いが、どういう者かは知っていた。いつも通りフレームの大きな伊達メガネをかけ、仕事モードにスイッチを切替えてその場に出向く。

ゾディアック・コーポレーションのCEO室に通される。軽く挨拶を済ませたら、モニターに鉱物が映った。ところどころは黄色くピン付けされている。彼は席を立つ。後ろで手を組み、背を向けながら本題を始めた。

『デュアリウム。21世紀初頭に発見された……この未知の物質には、ある力があった』

『石の写真ですかぁ〜？あたしは若い女性(チャンネー)専門なんですけど』

『…………時空のゲートを開き、この世界と向こう側の世界……二つの世界を繋ぐというね』

『向こう側の世界？』

美果子は目を丸くした。「向こう側」なんて、随分おとぎ話みたいな言い方をする。このときは本当にそう思っていたのかもしれない。男……この企業の頭で、智恵理の父は椅子にドッシリも座り直す。

そして。くるりと回転し、怪しく笑みながら言う。

『君は垣間見たことがあるんじゃないのかい…………みぃちゃん。かつてセンターノヴァ、5代目峯岸みなみだった君ならね』

『………………』

彼女は眉間に皺を寄せた。そのまま立ち上がり、彼を睨みつける。捨てた名前を呼ばれたときにはメガネのテンプル(つる)部分をつまむように持ち、素顔を晒した。

過去を知った上で呼んだのだ。善意でないことくらいは察する。そもそもカメラマンに石の話をするのだ。これから話すことは00に大いに関係のあること。それがハッキリとし、緊張が張り詰める。

『そして。この……デュアリウムの研究中に現れた、超時空生物。それが……』

『！っキララ！？』

『デュアリウムとキララ。この二つを利用し、筑波の量子光学研究所が星間航法技術の開発に成功した。…………キララドライブだ』

『…………、』

▽

秋葉星を攻撃させた。彼方さんの問いに「それは……」と始めるも、以降は中々口を開かない。そう言ってしまうなら、何らかは関わっている。確信に変わった。

その彼女を見て、目を逸らしたのは智恵理。

「父が関係しているんですね」

「…………っ」

みぃちゃんは深呼吸をひとつ。膝に置いていた両手の指をしっかりと組む。

そして……時期にして藍花星公演の後だ。ゾディアックに足を踏み入れ、智恵理の父親と会ったことを明かした。

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