755# 扉を開けるため ページ5
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内輪の話は今じゃない。互いにボロが出ても困るしね。私の生存を確認したところで本題へ。秋葉星を奪還するために、ツバサさんから奪還作戦の概要をWOTAも交えて共有する。
要約するとキララドライブで直接地下へ。突入次第、ライブを開始するとのこと。だが、そんなに正確なジャンプが出来るのかと誰かが言う。しかしツバサさんは何の迷いもなく「可能よ」と口にした。
理由は、織音がフンギーからもらったデュアリウムの結晶。これを反応させれば、出来る。だが、それの力を最大限引き出すにはメンバーひとりひとりがセンターノヴァぐらい輝く必要があるとか。
正直、無茶苦茶だ。だが……やるしか道は無い、秋葉星を取り戻すために。そう思えば弱音を吐く者なんていない。
「こじはるとしーちゃんは、他のメンバーにも作戦を伝えて」
『了解にゃん♪』／『うん』
「WOTAの皆さん……。引き続き、彼女たちと秋葉星、秋葉星の人たちをよろしくお願いします』
『おまかせください！』
通信は一旦途切れる。いよいよ、現実にするため動き出すのに。頭に浮かんだのは駆け出した同期二人。……と、ここで。またもゆきりんさんがツバサさんを呼んだ。
今度は、射手座星に潜入する方法を調査していたWOTAから連絡が入ったらしい。待ちわびた知らせにみんなは沸き立った。……しかし、私たちの高揚を止めるクラップ音。振り返れば、そこには牛山先生。
WOTAさんたちと話を始めるツバサさんを横目に、彼は言うんだ。
「凪沙と智恵理を、心配する気持ちはよくわかる。だけど……アンタたちは一足先にレッスンを始めるのよ」
「えっ……！ 私たちも二人のために何かっ」
「彼方やAならまだしも、他は圧倒的に場数も少なく表現力も未熟。センターノヴァのレベルまで輝くには、今すぐ始めないと間に合わないわ」
まあ、事実だな。友歌は遮られたけど返さなかった。
研究生公演が導入され、従来よりはステージに立てているけれども。その出演回数は大きく異なる。特に友歌に織音、楚方、真琴の四人。彼女たちは、特定のメンバーのアンダー経験もなければ総選挙も圏外。襲メンと同レベルを求めるレッスンは見学のみで、指導されたことは無い。
「頼りになる奴ならいっぱいいるわよ。……それじゃ、着替えや諸々を済ませたらまた集合。15分後には始めるわよ」
「「はい！」」
もう一つの作戦には研究生は参加できない。
そう告げられ、私たちはこの場に背を向けた。
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2024年3月16日 19時
