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あ……、そっか。秋葉星が攻撃されてから何時間経ったと思っている。
ともちんがいつからこのような状態か、あたしたちは知らないけれど。そんなの、とっくの昔に分かりきっているんだ。なのにそうしないのは……
「私も母も、妹が心配……。こんなふうになるのは初めてなの。でも無理なんだ、秋葉星の皆さんは……00を憎んでいるから」
「え……」
「AKB0048は……秋葉星を見捨てたと思われているんです」
「そんな……！」
妹……、耳にハート型の大ぶりのピアスをつけている方がお姉さんの元10代目ともちんだ。それで着物姿のともちんは元9代目ともちん、今のともちんの母親。お二人の目から悲しんでいるのが伝わってくる。
それにしても……00が秋葉星を見捨てたってどういうこと？ 言われたことの意味がわからない。今度はあたしたちが顔を見合わせる。護と葵も困惑していた。
00は秋葉星と市民を守るために戦ったはず。Aちゃんたち一部メンバーが星を離れたのは、ツバサさんが「敵の狙いは00」と気づいたからだ。これ以上被害を出さないためだと聞いたのに。
「やむを得ない……撤退だった。優子も失い、あのときはそうするしか無かった」
「秋葉星を守る。あっちゃんと、そう約束したんだって。ひとりで敵陣に突っ込んだらキララが強く輝いて、センターノヴァになっちゃった。だから消えたのかもって、ツバサさんから巡り巡ってわたしもWOTAさんに聞いた……けど、ね」
「こじはるさん……」
ここに不安が無い人なんていない。こじはるにとって、ともちんとゆうこはチームも同じ仲間である。片方は原因不明の体調不良で、もう片方も今どこにいるのか分からない。しかも後者は彼女の同期でもある。
離れ離れになって、それでも仲間を信じて『AKB0048の8代目小嶋陽菜』として避難所の人たちを支えるために頑張っていたところにその知らせ。外で助けてくれたときも、食料を持ってきたと言ったときも。元気そうに見えたが実際はそう見えるように振舞っていただけ。
仲間が消えても別に大丈夫、気にせず頑張れる。そんなわけない。00は別の世界の住人じゃないんだ。あたしたちと同じ感情を持つ人たち。嬉しいときは喜ぶし、悲しいときは涙を流す。総選挙を見て知っていたはずだ。恵ちゃんが心配そうにこじはるを見た。
「みんなが撤退して、すぐに街は占領された。そしてD.G.T.Oのプロパガンダが始まったの……」
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2024年3月16日 19時
