774# はじめまして、同志 ページ24
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麻袋の中の多くが食用だと言われ、こじはるは嬉しそう。
「食べられるって、メグちゃん！」
「じゃあもっと採ってきましょう」
「おぉ、おぉ……！」
……一部始終を見ていたあたしたち。リーダーをふと見上げれば、なんだか様子が変。頬を赤くして興奮してるみたい。鼻息が荒くなってる。
と思えば、突然大きな声を上げた。「ワイルドなアイドル！ 略してワイドルの誕生だぁーーー！！」…………。今だけは他人のフリしたいな。後ろの先輩たちは、そんなリーダーに頭を抱えたり引いているのが顔に出ていたり。葵は正気に戻れと言うように声をかけた。
そしたら。多分……さっきのリーダーの声が聞こえたんだろう。視界の左端から誰かがやってきた。その人は秋葉星市民のような軽装ではない。だけど……男性だから、00メンバーでも無さそう。
「うるさい」
「「………………」」
「……えっ」
「この状況を望んだ奴なんていない。不謹慎なことをデカい声で言うな、たとえWOTAでもつまみ出すぞ」
不満気な視線が刺さる。
先輩のひとりが小声で囁いてきた。あの服装は、トップオタの正装だと。WOTAという組織の上級会員で、銀河系社会にも影響力を持つVIPである。理解したときには、リーダーの顔もつい十数秒前とは違って真面目になっていた。
リーダーは一歩二歩、前へ出る。そして謝罪とともに、浅くはないけど大袈裟でもない、丁度いいくらいまで頭を下げた。
「ここにいるってことは、どなたかが招いたのか。お前らどこの星のモンだ」
「藍花星支部です」
「……藍花星？ 一応身分証明も見せろ。誰でもいい、二人出せ」
まるで、ヤのつく人みたいな聞き方。そりゃ避難区域に見知らぬ顔の集団が入ってきたら警戒する、その気持ちを分からなくは無い。でも……今どきそんな尋ね方する人いるんだ。
護は、いくら偉いとはいえ上から目線な言動が不服らしい。彼に対する第一印象は良くなさそうだ。あたしは……違うかな。トップオタは組織の上位ながら、最前線で00のために戦う人たち。
だからこそ責任感があり、しっかりしている。リーダーよりも歳下に見えるのに、臆せずに注意したでしょ。やるべきことをやってる。トップオタさんが求めたものを取り出したのはリーダー、そしてあたし。口は悪いけど信用できる人だと思ったから。
「…………へぇ」
「？ あの、何か問題ありましたか」
「あぁ……いや、ちょっと。確かめたいことができた」
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2024年3月16日 19時
