ラピスラズリ⑮【0048】 (ページ18)

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718# ここにいるページ18

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音楽を聴く余裕はない。現実は甘くない、だからアカペラ。あの曲を頭の中で鳴らしながら口ずさんでいた。

サビに差しかかる、その前に。頭上から影が降った。見上げれば相手は私を見ている。視線ががちりと合った。ほぼ無防備な私は捕まって、逃げられない。

「目と目があ〜ったしゅんか〜ん♪」

「！？ ………こうなる、運命だった？」

このフレーズにピッタリのシチュエーション。彼女は続きを鼻歌しながら隣に腰を下ろした。私はなんとなく背筋を正す。なんで、どうしてここが。たかみなさんの差し金？

疑問をぽこぽこ浮かべ、首を傾げる。混乱してる私を見てその人は笑うんだ。嫌な感じがしないのは……みぃちゃんだからかな。サビの最後の歌詞は口に出してくれる。

あの日。私がAKB0048を知って、みぃちゃんに会った日も一瞬だけ目が合った……気がした。貴方に心を掴まれた瞬間だ。

「懐かし〜！あたし『LOVE修行』大好きなんだよね」

「知ってる」

「さっすがチャンるり。あたしのファンの中のファン！」

言い過ぎだ。そんなことはないと思う。みぃちゃん推しなら誰でも分かることだよ。……それより何故の方が勝つ。

正直『どうして』はどうでもいい。私が息詰まっているとき彼女は目の前に現れる。それは、今回が初めてというわけではない。

みぃちゃんは眼鏡を外す。私が大好きで、他の誰よりもキラキラして見える5代目峯岸みなみだ。間にあるのは沈黙なのに何故か胸の辺りはあたたかい。指先まで血が通うような、やっと肩肘などから力が抜けたような感覚すらある。

「ていうかチャンるりは礼儀正しいはずなのに、結構前からタメ口だね。あたしが粗相をしたから敬わなくていいやとか思っちゃった？」

「それが理由じゃない。……けど、気になるなら戻す？」

「ううん。今のままでいいよ〜」

みぃちゃんを隔離し、尋問にも見える聴取のとき。私は途中から彼女に対して丁寧な言葉遣いを辞めた。あれは、実は感情によって外れたのではない。私自身が意識してそうしたことだった。

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□お久しぶりです
体調不良は一旦落ち着くものの、現在は……。やはり私の中には治る概念は存在しないようです。今月は無理ない更新になると思います。実はその間に文字を打つ指も怪我してしまい、もう一週間も絆創膏生活を強いられています。10月は「今年中にアニメ部分を書き切れるかも」と思っていましたが全然無理ですね。今後もよろしくお願いします。