巻き込まれ体質系女子【ヒプノシスマイク】

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...








『ただいま…』




いつもの癖でただいまと言ったけれど、帰ってくる声はなかった。

それもそのはず、今の時刻は23時を回っている。

三人とも寝ているということはなくても自室にいるだろう。

私としてはその方が都合がよかった。

兄ちゃんたちの敵に会ってしまったのだから。

ましてやそいつらのところで働くことになっただなんて言えるわけがない。

誰かに気づかれる前に早くお風呂に入って寝てしまおう、そう思った矢先……







「お、Aか、おかえり」







大好きだよ兄ちゃん。でも今は会いたくなかった！！！！！！！！！









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「で、あいつらのとこで働くことになったと」


『はい……』





あっけなくばれてしまった。

隠そうとした瞬間、「Aって嘘つくとき耳触るよな、ちっちゃいときから」なんて言われた。

さすが兄ちゃん、よく見てるんだなあなんて感心したのも束の間。

怒られる、そう確信したらなんか怖くなってきた。

反射的に目をつぶると、飛んできたのは怒号でも拳でもなく……






『いたっ…！』







デコピンだった。

でも、さっきのサツにされたやつより優しいもの。







「ったく、お前は無茶ばっかりしやがって…」







その言葉と同時に抱きしめられる。

いつぶりだろう、兄ちゃんに抱きしめられるのなんて。

なんだかとても懐かしい気持ちになって、思わず抱きしめ返してしまった。








「なんかされたりしたらちゃんということ、いいな？」


『うん！』







...





『あ、でもね、言われっぱなしはいやだったから』


「ん？」


『クソが！！って言って帰ってきた』


「(無言で親指を立てる)」






...

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