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TH「ほら、入って」
テテに促されて入るとソファとテーブル、端には使われなかった椅子が置いてある控室のような部屋。
勢いついてたくせに、急に静かな場所に連れてこられたら戸惑いが生まれて。
どうしようかと迷っているとテテは優しく腕を引いて、一緒にソファに腰を下ろしてくれた。
TH「痛いとこは？ある？」
「・・・ううん、大丈夫」
TH「見せて」
肩、腕、膝、とゆっくり擦りながら本当にケガがないか、丁寧に確認していくテテ。
TH「・・・所々、赤くなってる。アザになっちゃうよ」
「平気。すぐ治るよ、」
TH「俺が！嫌なの！腕なんかこんなっ、」
「大丈夫だって。・・・テテが助けてくれたから、こんなので済んだんだよ？」
俯くテテを覗き込むと、悔しそうに下唇を噛んでいて。
上目使いで私を見上げる切れ長の瞳には、収まらない怒りや後悔が滲んでる。
「ありがとう」
TH「・・・でもケガしたもん。それに、」
「ん？」
言い淀む彼に首を傾げれば、大きな掌がゆっくり頬に添えられて。
TH「・・・いっぱい触られて怖かったでしょ。きっと、・・・キスだってされてる」
「あ・・・、うん、それは・・・、」
TH「あー！くっそ、マジでムカつく！絶対また殴る！俺、決めたから！」
「えっ、やだ、もう会いたくない。会って欲しくもないよ、」
怖かった。
一度は愛してた人が知らない人に成り変わってたのも怖かったけど、
このまま事が進めば色んなことが壊れて、失うんだと思ったら。
とても、怖かった。
思い出して無意識に膝の上でぎゅう、と拳を作ると、気付いたテテがそっと包んで指をゆっくり開かせる。
TH「・・・そんなに強く握りしめないの。爪、痛いでしょ」
「・・・、」
TH「ぎゅってしたくなったら俺の手でも、俺のどこでもいいから掴んで」
「・・・テテ、」
TH「一人で握りしめないで。俺と、ぎゅっとしよ」
緩んだ隙間にテテの指が入り込んで指が絡み合って、力が少しづつ抜けて。
テテからの体温が伝わって気持ちが落ち着いていくのがわかる。
TH「この方が良くない？」
「・・・うん、」
ふぅ、と深呼吸をして顔を上げると、あの蕩ける眼差しで私だけを映して。
TH「・・・ねぇ、A、」
ヌナ、と呼ぶいつもの声より、ずっと甘くて。
私の名前を口にするテテの瞳に吸い寄せられる。
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みあも(プロフ) - こんにちは！クズ元カレと再会したシーンでは思わず泣いてしまいました。テテの包み込む優しさに涙が(;;)本当に素敵で大好きな作品です。この作品に出会えてよかったです。ありがとうございました！ (2021年6月7日 9時) (
レス) id: 2123f5cbc8 (このIDを非表示/違反報告)
あみ - 最高でした。所々、私自身も涙を流してしまいました。。。 感動的で時に少しHな部分もあってすごく楽しめました。ありがとうございました。 (2021年3月30日 17時) (レス) id: b5b319fcf8 (このIDを非表示/違反報告)
りーりー - 早く結ばれろって毒付いてたけど(すみませーんw)好きな人＝付き合いたい人とは違うって思いました。← (2019年10月5日 7時) (レス) id: 37e0abcb10 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 長くなってしまいましたがこんな素晴らしい作品を読ませていただいて心から感謝します。これからのアウラ様の幸せを願っています！ (2019年4月11日 23時) (レス) id: 65b302e09c (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 共感できるし、何より自分も子供好きだからこそ辛い事とかも…そんな寂しさから何となく男の人を求めてしまうのも、軽い関係だけで終わらせたいと思うのも。何だか自分語りみたいになってしまって申し訳ないのですが夜にギャン泣きしてしまうくらいには感動したので (2019年4月11日 23時) (レス) id: 65b302e09c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アウラ
| 作成日時：2017年11月11日 21時
