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「やめて！」
暗くて狭いクロークの中で腕を振り払おうとしても強く掴む彼の手は離れてくれない。
痛みを伴って焦りが恐怖に変わっていく。
「やだっ！本当に離してよ！」
MJ「暴れるなって、そんな嫌がることじゃないだろ、」
「離してってば！痛い！」
暴れれば暴れるほど力が込められていく気がする。
それでも大人しくならない私に ‘うるせぇな、’ と舌打ちをしたかと思ったらぐっと首を捕まれ、そのまま力任せに壁に身体を押し付けられて。
「―――っ！！」
あまりの衝撃に声すら出ない。
痛くて、苦しくて、・・・怖くて。
息苦しさの中、うっすら目を開けるとお互いの息がかかる程の距離で、暗闇に慣れて浮かび上がる彼の顔。
MJ「A、相変わらず綺麗だよ、ほんと。別れなきゃ良かったなぁ」
‘なんで別れたかな、’と、とぼけた様に呟く彼は私の首から手をずらし頬を撫でる。
・・・ああ、でもあの目付きだ。
私を憐れんで、同情して、見下してる。
「・・・ミンジュンやめて。本気で叫ぶよ」
MJ「啼くんだろ？大歓迎」
「ふざけないでよ！バカにしないで！」
MJ「そんなキャンキャン言うなって。大丈夫だって、お前の事はよくわかってるし」
そう言うと首元に顔を埋め、ワンピースの裾から手が入り込めば太腿を撫でられて。
ゾワリ、と背筋に冷たいものが走る。
MJ「仲直り、って言っただろ？」
「やだ、やめて、本当にやめてよ・・・っ！」
押し返してもビクともしない相手の本気に足が竦む。
自分の身体が小刻みに震えるのは怒りからか、恐怖からなのかもわからない。
覚えのある彼の香りも、好きだったはずの彼の笑顔も、今じゃ全てが見知らぬ指輪と同じ。
記憶の底に沈めてた彼はこんな人だったか。
目に浮かぶ涙が零れ落ちる前に離れたくて身を捩っても身体を這う彼の手はねっとりとしていて、まるで恐怖を撫で付けられてるかのようで。
怖くて。
怖くて。
「やめてっ、やだっ、テテ・・・っ！」
抵抗しながら泣き震える声が咄嗟に出す想う人の名前は、私を押さえつけるミンジュンの気を逸らして力が弱まって。
MJ「・・・は？誰って？」
小馬鹿にしたように笑うその隙に逃げようと力を込めて押し返しても、所詮女の力じゃ敵わなくて。
また周りの荷物が音を立てて棚から崩れていくのを聞いて、私も泣き崩れそうになると、
TH「A！」
名前を呼んだ彼の声が狭いクロークに響いた。
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みあも(プロフ) - こんにちは！クズ元カレと再会したシーンでは思わず泣いてしまいました。テテの包み込む優しさに涙が(;;)本当に素敵で大好きな作品です。この作品に出会えてよかったです。ありがとうございました！ (2021年6月7日 9時) (
レス) id: 2123f5cbc8 (このIDを非表示/違反報告)
あみ - 最高でした。所々、私自身も涙を流してしまいました。。。 感動的で時に少しHな部分もあってすごく楽しめました。ありがとうございました。 (2021年3月30日 17時) (レス) id: b5b319fcf8 (このIDを非表示/違反報告)
りーりー - 早く結ばれろって毒付いてたけど(すみませーんw)好きな人＝付き合いたい人とは違うって思いました。← (2019年10月5日 7時) (レス) id: 37e0abcb10 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 長くなってしまいましたがこんな素晴らしい作品を読ませていただいて心から感謝します。これからのアウラ様の幸せを願っています！ (2019年4月11日 23時) (レス) id: 65b302e09c (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 共感できるし、何より自分も子供好きだからこそ辛い事とかも…そんな寂しさから何となく男の人を求めてしまうのも、軽い関係だけで終わらせたいと思うのも。何だか自分語りみたいになってしまって申し訳ないのですが夜にギャン泣きしてしまうくらいには感動したので (2019年4月11日 23時) (レス) id: 65b302e09c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アウラ
| 作成日時：2017年11月11日 21時
