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そろそろ始まる、という時間になれば受付周りの人は疎ら。
言われた通りに大人しくしてたテテだけど、少しづつ落ち着きがなくなってきて。
私の後ろからご機嫌を取ってくる。
TH「ヌナ、そのドレスすっごい可愛い♡似合ってる♡」
はいはい、ありがとうね。
TH「ねね、今日のご飯って何が出るのかな？」
色々あるから見てきたら？
TH「ヌナー、」
「・・・ねぇ、先に言っておくことないですか」
TH「ごめんなさい、俺が全部悪いの、もうしない・・・！」
切羽詰まった声に、ゆっくり振り返ればテテに見えないはずの犬耳と尻尾が垂れて見えた。
「・・・私もごめん。意地悪だったね。それに意地っ張り、発動しちゃった」
TH「・・・それはヌナの得意技だもんね？」
「う、そうです・・・。だってムカついたんだもん。よりにもよってあの女かよ、趣味悪い！」←
TH「サラヌナと同じ事言ってる(笑)」
苦笑いしながら‘でも二度としないから、’と私を見つめる瞳には決意が込められていて。
「あの子と話しでもしたの？」
TH「あー、うん。したっていうか、してたらサラヌナが来て、シメ上げたっていうか」←
「サラにお礼しなきゃ」←
TH「・・・もう家、帰ってくる、よね？」
深い黒のスーツはより落ち着いた大人の雰囲気を醸し出していて、まるで別人のようだけど。
中身は私のよく知る素直な五歳児のテテのまま。
真っ直ぐに私だけを見つめて。
袖から出る大きな手は子供のようにぎゅうと拳を作って、全身で ‘ごめんね’ ‘帰って来て’ と訴えてる。
そんな彼に気付けば自分の抱えてた感情が情けない程にちっぽけに思えて。
溢れんばかりの愛しさが募って、思い知る自分の気持ち。
・・・私、すごい好きだ。
テテのこと、本当に好きだなって改めて想って。
「・・・帰る。テテの、隣に居たい」
素直な彼の気持ちに、素直に答えたいと思ってそのまま言葉にすれば。
TH「・・・離す気ないっていったでしょ」
幸せをかき集めたような顔で無邪気に口角をきゅう、と上げて。
少しだけ潤んだ瞳を弓なりに細めて笑うから、また自然と私にも笑顔が浮かぶ。
TH「チューしたいけど、今はダメだよね？」
「して欲しいけど」
TH「えっ！？」
「でもここではダメね、残念」
TH「ああっ！もうっ！ここで素直なヌナが出てくるなんて・・・っ！」
プルプル震えながら必死に我慢してるらしいテテ。
・・・我慢なんて出来るんだ？←
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みあも(プロフ) - こんにちは！クズ元カレと再会したシーンでは思わず泣いてしまいました。テテの包み込む優しさに涙が(;;)本当に素敵で大好きな作品です。この作品に出会えてよかったです。ありがとうございました！ (2021年6月7日 9時) (
レス) id: 2123f5cbc8 (このIDを非表示/違反報告)
あみ - 最高でした。所々、私自身も涙を流してしまいました。。。 感動的で時に少しHな部分もあってすごく楽しめました。ありがとうございました。 (2021年3月30日 17時) (レス) id: b5b319fcf8 (このIDを非表示/違反報告)
りーりー - 早く結ばれろって毒付いてたけど(すみませーんw)好きな人＝付き合いたい人とは違うって思いました。← (2019年10月5日 7時) (レス) id: 37e0abcb10 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 長くなってしまいましたがこんな素晴らしい作品を読ませていただいて心から感謝します。これからのアウラ様の幸せを願っています！ (2019年4月11日 23時) (レス) id: 65b302e09c (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 共感できるし、何より自分も子供好きだからこそ辛い事とかも…そんな寂しさから何となく男の人を求めてしまうのも、軽い関係だけで終わらせたいと思うのも。何だか自分語りみたいになってしまって申し訳ないのですが夜にギャン泣きしてしまうくらいには感動したので (2019年4月11日 23時) (レス) id: 65b302e09c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アウラ
| 作成日時：2017年11月11日 21時
