52 ページ2
「あれ、私のバッグ、知らないー？」
いつも置いてあるスツールになくて。
寝室の中を探しながらリビングにいるテテに大声で聞いてみる。
TH「げんかーん、置きっぱー」
歯ブラシを口に突っ込んでテレビから目を離さず大声で教えてくれて。
そんなに気になるニュースなのかと私もテレビに目を移すと、占いか。
さほど興味もないから素通りして玄関に向かう。
後ろで‘俺、6位ー、びみょー’とテテのコメントを聞きながら準備の為にバッグを開けると、底に隠れるあの箱を見つけて思わず手が止まる。
・・・忘れてた。コレ、返さなきゃ。
やだなぁ、あいつも話を聞かないから面倒くさい。
・・・郵送で送り返したら怒るかな。←
なんて、なかなか酷いことを考えていたら、
TH「どったの、座りこんじゃって」
「ひゃあ？！」
急に背後から話しかけられて慌ててバッグを閉じる。
「な、なに！びっくりするじゃない！」
TH「えー？別に普通なのに、」
「し、支度できたの？」
TH「うん、もう出れるよ。ヌナも行ける？」
「ん、出る。待って、コーヒー飲んじゃう、」
急にバクバクと早まる心臓の音がバレないように、リビングに戻って最後の一口を含めば。
TH「(じーーーー)」
うわぁ、痛い、痛い・・・！視線が刺さってる・・・！
カップで口元を隠しながらチラリ、と上目使いで隣にくっ付いてきたテテを見上げてみる。
「・・・な、なぁに？」
TH「・・・ヌナ、」
その切れ長の瞳は時に鋭さが際立って、全てを見透かされるんじゃないのか、と妙な不安に駆られる。
TH「・・・今日は11位だったよ〜」
「あ、ああ、占い？やだ、低いね、やなことないといいけど」
TH「今日は隠し事がバレちゃう日、だって」←
「はいっ！？」←
その占い師、私のこと知ってんの！？←
TH「うん、人を傷付けやすい日だから言動には気をつけてねってアナウンサーさんが言ってた」
「そ、そう・・・、気を付けるわ・・・」
占いなんて信じた事ないけど、今日に限ってはなぜか当たりそうで怖い。
これはさっさと連絡を取って、お終いにしなければ。
テテの視線から逃げるようにキッチンにカップを片付けに行けば、その間にテテは玄関で靴を履いてて。
TH「いこー」
「はいはい」
・・・よし、いつも通りのテテだ。
なんだ、野生の勘が発動して勘ぐられてるかと思っちゃった。
ホッとして隠し事の入ったままのバッグを肩にかけて玄関を出た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2640人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みあも(プロフ) - こんにちは！クズ元カレと再会したシーンでは思わず泣いてしまいました。テテの包み込む優しさに涙が(;;)本当に素敵で大好きな作品です。この作品に出会えてよかったです。ありがとうございました！ (2021年6月7日 9時) (
レス) id: 2123f5cbc8 (このIDを非表示/違反報告)
あみ - 最高でした。所々、私自身も涙を流してしまいました。。。 感動的で時に少しHな部分もあってすごく楽しめました。ありがとうございました。 (2021年3月30日 17時) (レス) id: b5b319fcf8 (このIDを非表示/違反報告)
りーりー - 早く結ばれろって毒付いてたけど(すみませーんw)好きな人＝付き合いたい人とは違うって思いました。← (2019年10月5日 7時) (レス) id: 37e0abcb10 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 長くなってしまいましたがこんな素晴らしい作品を読ませていただいて心から感謝します。これからのアウラ様の幸せを願っています！ (2019年4月11日 23時) (レス) id: 65b302e09c (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 共感できるし、何より自分も子供好きだからこそ辛い事とかも…そんな寂しさから何となく男の人を求めてしまうのも、軽い関係だけで終わらせたいと思うのも。何だか自分語りみたいになってしまって申し訳ないのですが夜にギャン泣きしてしまうくらいには感動したので (2019年4月11日 23時) (レス) id: 65b302e09c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アウラ
| 作成日時：2017年11月11日 21時
